窯から出した作品の仕上がりを確認する十四代今泉今右衛門さん=6日午前、西松浦郡有田町の今右衛門窯(撮影・山口源貴)

初窯出しで作品の出来栄えを見る井上萬二さん=西松浦郡有田町の井上萬二窯(撮影・山口源貴)

 西松浦郡有田町の重要無形文化財保持者(人間国宝)の窯で6日、仕事始めに当たる「初窯出し」が行われた。色鍋島の十四代今泉今右衛門さん(59)と、白磁の井上萬二さん(92)が、昨年末に焼成した作品の出来栄えを確認し、納得の表情を浮かべた。

 今右衛門窯では神事に続き、今右衛門さんが薪(まき)窯の入り口のれんがを除いた後、新作を含めつぼや花瓶など約280点を取り出した。

 作品は、埼玉県大宮市の百貨店など3~5月の個展向けが中心。大作の「色絵雪花薄墨墨(いろえせっかうすずみすみ)はじき四季花文蓋付瓶(しきはなもんふたつきびん)」などを手にして焼き上がりをチェックした。

 「釉薬(ゆうやく)の溶け具合、雰囲気、肌合いがちょうど出ていて良かった」と安堵(あんど)し、「コロナ禍の中で、焼き物が豊かな気持ちを与えることができれば。時代に向き合いながら伝統工芸の仕事を続けたい」と今年の抱負を述べた。

 井上萬二窯では、萬二さんと孫の祐希さん(33)の作品約200点を窯から取り出した。萬二さんはマットな釉薬が印象的な新作の「白瓷瓜形壷(はくじうりがたつぼ)」などをみて、「技術的には問題ない」と笑顔を見せた。出掛けた先の風景から作品のヒントを見つけているといい、「仕事はすればするほどアイデアが浮かぶ。まだ新しいものを作りたい」と衰えぬ意欲をみせた。

 今年は、1月19日から長男の故康徳さんの作品を含む東京での親子3代展を皮切りに、46年連続となる6月の銀座和光の個展などを予定している。(古賀真理子)

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