区間賞の走りを見せ、たすきをつないだ順天堂大の6区牧瀬圭斗。左は7区西澤侑真=神奈川県小田原市の6-7区中継所(撮影・鶴澤弘樹)

 箱根の山の澄み切った空気を切り裂くように、誰よりも軽快なリズムで駆け下りた。「山下り」区間の6区(20・8キロ)で順天堂大の主将・牧瀬圭斗(白石高出身)が、58分22秒で区間賞を獲得。順大31年ぶりとなる同区間制覇を成し遂げた。

 トップから4分4秒差の5位でスタート。「自分の走りが残り4人の勢いになれば」と、苦手とする序盤約4キロの上りで国学院大をかわした。「きょうはいける」。下りに入っても勢いは止まらず、驚異的な追い上げでピッチを刻んだ。スタート地点で1分27秒先行していた帝京大も捉え、3位でたすきリレー。トップ青山学院大との差を3分23秒まで縮めた。

 下り終えたラスト3キロは苦しかった。それでも、高校からともに汗を流してきた吉岡智輝ら出場できなかった4年生や、後輩の思いをたすきに込めた。「みんなの顔が走馬灯のように浮かんできて、力になった」

 県勢では、2008年に白石高の先輩・永岩義人(城西大10区)が獲得して以来、14年ぶりの快挙。高校で指導し、大学の先輩でもある白石高前監督の松瀬元太さん(現・佐賀県競技力向上推進室)は、07年の4年時にアンカーを務め、区間新の快走で頂点に立った。この日の勇姿はテレビ越しに見届け、「大舞台でしっかり結果を残してくれて、本当にうれしい」。牧瀬も「一番に報告したい人」だと話した。

 大学1、3年時はエントリーされながらも控えメンバー。2年時はけがに苦しみ、半年間は走ることを許されなかった。「諦めることなく、次こそはできるという自分への期待が今回につながった。最後くらいキャプテンらしい走りができたかな」と牧瀬。最初で最後の箱根を走りきった表情は、充実感に満ちあふれていた。(井手一希)

このエントリーをはてなブックマークに追加