楼門前の建設予定地。奥が解体工事中の旅館花月で、手前の土地に豆腐専門店が計画されている=武雄市武雄町

 武雄温泉のシンボル、武雄温泉楼門前に二つの観光施設の計画が進んでいる。予定地は廃業したホテルと旅館の跡地で、いずれも10年以上にわたって跡地利用が定まらずにいた。2022年秋の九州新幹線長崎ルート暫定開業に向け、関係者は市の新たな観光名所になることを期待している。

 一つは温泉旅館で、老舗旅館「花月」の跡地に建設される。1880(明治13)年創業の花月は2010年2月に破産。その後、福岡市のマンション販売会社リアリティマネージメント(早川和利代表)が建物を所有しており、建設は関連会社のR・Resortが担う。

 計画によると、旅館は木造2階建ての家族向けで、部屋数は12~13室を予定。全室に温泉風呂を完備する。敷地内にある1918年建設の純和風建築「大正館」は改修して食事処とし、旅館の正面玄関になる。かつて県内の財界人や文化人の社交場として親しまれた建物が復活することになり、オープンは22年冬の予定。早川代表は「新幹線開業で多くの人が武雄を訪れるようになる。魅力的な施設を造りたい」と話す。

 隣接する空き地には、武雄市北方町の平川食品工業(平川大計社長)が嬉野市に続く豆腐専門店の出店を予定している。04年6月に閉鎖した「ホテル武雄館」の跡地で、同社は17年に取得したが、本社工場の増設などを先行し、いよいよ着手できるようになったという。

 木造2階建てで、純和風の嬉野店よりも和モダンなイメージになる。提供する商品は温泉湯豆腐のコース料理をメインに、豆乳ソフトクリームやパフェなどカフェメニューもある。足湯をセットにした“足湯カフェ”も計画している。オープンは22年9月の予定。

 平川社長は「楼門の風情にマッチした店にしたい。温泉に来た人たちに食事を提供することで、温泉通り全体の活性化につながれば」と期待を込める。(澤登滋)

   

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