ウィキペディアに掲載したい伊万里の情報について話し合うセミナー参加者=伊万里市民図書館

 インターネット百科事典「ウィキペディア」を地域おこしに利用するユニークな取り組みが、伊万里市で始まった。サイト内の伊万里に関する記事を増やし、郷土の魅力発信につなげようという試みだ。11、12月に書き手を養成するセミナーが開かれ、参加者は実践を通して記事を投稿する技術を学んだ。

 企画したのは、市民図書館を活動拠点にするサークル「伊万里ミントの会」。ウィキペディアは誰でも自由に書き込むことができ、日本語版は現在約130万の記事がある。閲覧者が多く、地域の歴史や文化、観光などの情報を充実させることで、その土地のPRになる。同様の取り組みは国内外で行われている。

 ウィキペディアの執筆者「ウィキペディアン」をもじった「イマリペディアン」の養成セミナーには、高校生から年配者までの15人が参加した。題材選びから取材、執筆、投稿までを3回に分けて体験。初回はIT技術者から編集の方法やルールを学び、サイトに載せたい伊万里の情報をリストアップした。

 史跡や祭り、人物など、地元では有名だが記事がない情報がたくさんあった。「佐賀牛は記事があるのに、伊万里牛はない」「鉄道は全駅が網羅されている一方で、学校は小中高ともに少ない」という気付きもあり、今後の題材選びの参考になった。

 その中から手始めに、中世の武士団・松浦党ゆかりの「山ン寺遺跡」(東山代町)の記事を共同で投稿することにした。サイトへの記事掲載には出典の明記が必要なことから、郷土史家らによる研究成果が豊富にある題材を選んだ。標高約450メートルの山中にある現地を取材し、図書館の所蔵資料を参考にしながら、それぞれが記事を執筆。持ち寄って内容を練り上げ、12月19日に掲載した。

 参加者は今後、各自思い思いに記事を投稿していく。企画した市民図書館の鴻上哲也館長(62)は「セミナーはさまざまな関心を持つ人々が集まり、郷土についての知識を積み上げていく場になる。2期生、3期生と仲間を増やし、伊万里の魅力を世界に発信していきたい」と話している。

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