2回戦・佐賀東-山梨学院 前半、先制ゴールを決める佐賀東MF中山琉稀(左から2人目)=熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(撮影・鶴澤弘樹)

 「ブルーの戦士」たちが、熱いプレーで寒風を切り裂いた。佐賀東は一瞬の隙を突く攻撃で2ゴールを奪い、前回王者から白星をつかみ取った。2016年以来となる3回戦進出。蒲原晶昭監督は「粘り強く、耐え忍んでの勝利だった」とほっとした表情を浮かべた。

 試合はいきなり動いた。前半3分、MF森田悠斗が敵陣の深い位置で奪ったボールをMF中山琉稀が拾うと、「前に人がいなかったから、振り切ることを意識した」。前線に持ち出してコースを作り、間髪入れずに左足を一閃(いっせん)。強烈なミドルシュートは、一直線の軌道を描きゴール左隅に突き刺さった。

 気温は5度。強風がピッチに吹き付ける厳しいコンディションの中、選手たちは冷静にボールの軌道を読みながら80分間を通して走り続けた。後半は相手に攻め込まれる場面が目立ったが、守備陣を中心に我慢を貫いた。試合終盤にはロングカウンターからFW溝口貴也が貴重な追加点。県大会で5試合30得点の攻撃力を冬の大舞台で遺憾なく発揮した。

 3年ぶりに出場した昨年の選手権は市船橋(千葉)に1―4、今夏の全国高校総体は流通経済大柏(同)に1-5で完敗し、いずれも初戦で涙をのんだ。全国屈指の強豪との実力の差を肌で味わった選手たちは、球際の競り合いや攻守の切り替えなど「サッカーの基本」を体に染み込ませ、心と技を鍛えてきた。

 3回戦の相手は東福岡を4-0で破った大津(熊本)。注目の九州対決は、初の8強を懸けた戦いであり、「国立」への第一関門となる。「常に挑戦者の気持ちで、東高らしく戦いたい」と中山。全国で確かな成長を示した選手たちが、一枚岩となり新たな歴史を切り開く。(井手一希)

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