東京オリンピック・ソフトボール競技の日本―イタリアで、3ランを放つ藤田倭選手(佐賀女子高出身)=7月24日、横浜スタジアム

大雨で冠水し、川のようになった道路を、波を立てて進む車の列=8月13日、佐賀市天神(画像の一部を加工しています)

鳥栖市で発生した女性殺害事件の現場付近。早朝から警察車両が路上をふさいだ=9月14日午前7時ごろ、鳥栖市酒井東町

10月31日投開票の衆院選で当選を果たし、座談会で意見を交わした(左から)岩田和親氏、古川康氏、今村雅弘氏、原口一博氏、大串博志氏=佐賀新聞社

2年ぶりに無観客で開幕した佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。嘉瀬川河川敷に設置されたターゲットを目標に、秋空を飛び交うバルーン=11月4日朝、佐賀市

諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じる確定判決の効力を争う訴訟の差し戻し控訴審の結審後、報告集会でマイクを握る平方宣清さん(右)=12月1日、福岡市内

 昨年に続いて世界中が新型コロナウイルスの猛威にさらされた2021年。佐賀県内にも感染拡大の波が何度も及び、地域の営みに影を落とした。8月には2年前の佐賀豪雨を想起させるほどの記録的大雨による被害が各地に広がった。オスプレイ配備計画や新幹線長崎ルートなど国策絡みの課題も議論が続く。2021年の県内ニュースをダイジェストで振り返る。

【7月】

●5日 県内初、デルタ株疑い 県は、新型コロナへの感染が県内で確認された人のうち1人が、インドで見つかった変異株「デルタ株」に感染した疑いがあると発表した。デルタ株の感染疑い例は県内で初めて。

●5日 サガンFW豊田、栃木へ完全移籍 サッカー・J1サガン鳥栖はクラブのJ1昇格に大きく貢献し、不動のエースとして長年活躍したFW豊田陽平(36)が、J2栃木SCへ完全移籍すると発表した。

●23日 異例ずくめの五輪開幕、県内も中継見つめる 東京五輪が開幕し、佐賀県内でも聖火ランナーらが万感の思いで開会式のテレビ中継を見つめた。祝祭ムードの一方で、開会式ショーディレクターの解任など直前までごたごたが続き、コロナ禍も暗い影を落とす。1年遅れの異例ずくめの祭典が始まった。

●24日 有明海沿岸道路の芦刈南IC―福富IC開通 自動車専用道路「有明海沿岸道路」の芦刈南インターチェンジ(IC、小城市芦刈町)―福富IC(杵島郡白石町福富)の3.5キロが開通した。

●25日 東明館が甲子園切符 第103回全国高校野球選手権佐賀大会最終日は、佐賀市のさがみどりの森球場で決勝があり、東明館が佐賀北を2―0で下した。1988年の開校と同時に創部し、34年目で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。

●27日 藤田、内藤、県勢初メダル 東京五輪第5日はソフトボールの日本が決勝で米国を2―0で破り、金メダルに輝いた。勝利には佐賀女子高出身の藤田倭(30)、内藤実穂(27)の両選手が貢献した。今回の五輪で県勢がメダルを獲得したのは初めて。

 

【8月】

●10日 最低賃金29円上げ、821円に 佐賀地方最低賃金審議会(会長・富田義典佐賀大名誉教授)は、佐賀県内の2021年度の最低賃金を時給で29円増(引き上げ率3.66%)の821円にするよう、加藤博之佐賀労働局長に答申した。答申通りに決まれば18年連続の引き上げ。

●13日 佐賀市で総雨量560ミリ超、佐賀豪雨上回る 九州北部に停滞する前線の影響で、佐賀県内は断続的に激しい雨が降り続いた。各地で家屋の浸水や道路の冠水、河川の増水などが相次ぎ、2019年8月の佐賀豪雨で深刻な浸水被害が広がった武雄市朝日町高橋地区の一部が、再び浸水に見舞われた。11日の降り始めからの総雨量は、佐賀市駅前中央などで500ミリを超え、佐賀豪雨で総雨量が最も多かった唐津市の533ミリを超えた。

●13日 新型コロナ、県内最多94人感染 佐賀県は10歳未満から80代までの男女94人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者数としては2日連続で過去最多を更新。県内の感染確認は延べ3314人になった。

●23日 高輪築堤、国史跡指定へ 文化審議会は1872(明治5)年に東京・新橋と横浜を結ぶ日本初の鉄道が開業した際に造られた「高輪築堤」の遺構の一部を史跡にするよう萩生田光一文部科学相に答申した。近く指定される。築堤は佐賀県出身で総理大臣を2度務めた大隈重信(1838~1922年)が建設を推進したとされている。

●24日 佐賀県まん延防止措置へ 佐賀県の山口祥義知事は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請したと明らかにした。政府は佐賀など4県を対象地域に追加する意向を固めた。正式に適用されれば、東京に匹敵する感染者の増加を見せている合併前の旧唐津市を対象にする考え。

 

【9月】

●4日 車いすテニス大谷が銅メダル 東京パラリンピックの車いすテニス女子ダブルスの3位決定戦が、東京・有明テニスの森公園であり、上地結衣選手(三井住友銀行)・大谷桃子選手(西九州大―かんぽ生命)組は、中国の朱珍珍・王紫瑩組を2―0のストレートで下し、銅メダルを獲得した。佐賀県勢として今大会初のメダルとなった。

●5日 多久市長、横尾氏7選 任期満了に伴う多久市長選が投開票され、現職の横尾俊彦氏(65)=北多久町、6期=が5534票を獲得し、新人で農業の弥富博幸氏(67)と元派遣社員の副島満氏(63)を大差で退けて7回目の当選を果たした。

●7日 県がカップルに受領証、パートナーシップ制で初交付 LGBTQなどの性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係と公認する「パートナーシップ宣誓制度」を新設した県は、申し込んだカップルに県独自の「パートナーシップ宣誓書受領証」を初交付したと発表した。

●14日 鳥栖の女性殺害、容疑で長崎大生逮捕 鳥栖市内で70代女性の頭をハンマーで殴って殺害したとして、県警捜査1課と鳥栖署は殺人の疑いで、長崎大薬学部4年の山口鴻志容疑者(25)=長崎市=を逮捕した。

●28日 「激甚」指定を閣議決定 佐賀県内で8月中旬に降り続き記録的な被害をもたらした大雨に関し、政府は激甚災害に指定することを閣議決定した。施行は10月1日付。農業分野では地域を限定せず県内全域が対象になる「本激」となり、国庫補助率をかさ上げする。融資による中小企業の再建支援は武雄市、杵島郡大町町に限定する「局激」(局地激甚災害)となる。

 

【10月】

●6日 10月なのに真夏日 県内は高気圧に覆われた影響で気温が上昇し、佐賀市駅前中央で31.4度を観測した。5日連続で30度以上の真夏日で、1890年の観測開始以降、10月としては最長となった。

●14日 新型コロナ、県内95日ぶり感染ゼロ 佐賀県は新型コロナウイルスの新たな感染者は確認されなかったと発表した。県内では7月11日以来、95日ぶりにゼロとなった。

●17日 佐賀市長に坂井氏 任期満了に伴う佐賀市長選・市議選の投開票があり、市長選は元国土交通省官僚の坂井英隆氏(41)=川原町=が4万2908票を獲得し、新人5人を破り初当選した。投票率は56.03%で、選挙戦になった2013年を3.20ポイント下回り、新市になって4回目の選挙で最低だった。

●22日 トンテントン合戦復活 伊万里市の伊萬里神社の秋祭り「伊万里トンテントン」が宵祭りで幕を開けた。新型コロナウイルスの感染防止策を取りながら、神輿(みこし)を組み合う合戦を2年ぶりに実施した。

●25日 大谷さんに県民栄誉賞 東京パラリンピックで銅メダルに輝いた車いすテニス女子の大谷桃子さん(26)=西九州大-かんぽ生命=が、佐賀県の県民栄誉賞を受賞した。大谷さんは「佐賀は第2のふるさと。栄誉ある賞をいただけてうれしい」と感謝を述べた。

●31日 衆院選、県関係は改選前の5人当選 衆院選佐賀県内2小選挙区が投開票された。1区は立民前職の原口一博氏、2区は立民前職の大串博志氏が当選。1区自民前職の岩田和親氏、2区自民前職の古川康氏はいずれも比例代表九州ブロックで復活当選し、県関係の衆院議員は、自民の比例名簿単独1位の前職今村雅弘氏と合わせ、改選前と同じ全5人が当選した。

 

【11月】

●3日 唐津くんち2年ぶり巡行 唐津神社の秋季例大祭・唐津くんちの御旅所神幸祭と曳山(ひきやま)巡行が市中心部で行われた。新型コロナウイルス対策で規模を縮小。2年ぶりに街中を14台の曳山(やま)が巡った。

●4日 バルーンフェスタ無観客で 秋の佐賀平野を熱気球が彩る「2021佐賀インターナショナル・バルーンフェスタ」が2年ぶりに開幕した。6日まで無観客で行った。

●22日 国交省、フルなら「佐賀駅経由がベスト」 九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉の整備方式を巡り、国土交通省はフル規格で整備する場合に想定される三つのルートの検証結果を佐賀県に示した。与党とJR九州が推す佐賀駅経由のルートがベストな選択だとの見解を伝えた。

●23日付 知事らのボーナス日割り 県は知事などの特別職に年2回支給する期末手当(ボーナス)を本年度から日割り計算に変更した。国の枠組みに準じていた以前は、在職1日でも満額の3割が支給され、在職期間が1日違うと支給額に2倍の差が生じる場合がある制度だった。日割りへの見直しは全国で初めて。

●26日 大町町長を収賄容疑で書類送検 杵島郡大町町のふるさと納税を巡り、返礼品取扱業者から金品などを受け取ったとして、県警が収賄の疑いで水川一哉町長(64)を佐賀地検に書類送検したことが、複数の関係者への取材で分かった。業者も贈賄の疑いで書類送検した。

●30日 漁協「条件付き協定見直し」決定 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画で、佐賀県有明海漁協は県と結ぶ自衛隊との空港共用を否定した協定を、条件付きで見直すと決めた。防衛省が配備候補地の買収額の目安などを示せば、協定の変更に応じる。

 

【12月】

●1日 諫早訴訟結審 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を命じる確定判決の効力を争う請求異議訴訟の差し戻し控訴審第7回口頭弁論が福岡高裁で開かれ、結審した。結審後の非公開協議の場で高裁は、和解による解決を正式に断念する考えを漁業者側と国側に示した。判決は来年3月25日に言い渡される。

●9日 佐賀-羽田便1日5往復に 全日本空輸(ANA)は佐賀空港発着の羽田便について2022年1月は便数を通常に戻し、1日当たり5往復を運航すると発表した。新型コロナウイルスの影響で20年3月から減便が続いているが、全国的な感染状況の落ち着きや需要動向から判断した。

●20日 サガン金監督退任発表 サッカー・J1サガン鳥栖は、金明輝(キン・ミョンヒ)監督(40)が今季限りで退任すると発表した。金監督の今後や後任については、決定後改めて発表するとしている。

●23日 県内6駅3月無人化 JR九州は2022年3月のダイヤ改正に合わせ、管内の29駅を無人化すると発表した。佐賀県内では鹿児島線けやき台駅(三養基郡基山町)、長崎線鍋島駅(佐賀市)、牛津駅(小城市)、多良駅(藤津郡太良町)、筑肥線東唐津駅(唐津市)、唐津線西唐津駅(同)の6駅が対象。新型コロナウイルスの影響や少子高齢化、人口減少で鉄道需要減が続いており、合理化を図る。

●24日 玄海原発で特別査察 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)で火災が相次いでいることを受け、唐松地域を管轄する唐津市消防本部は、原発構内で特別査察を実施した。玄海原発での特別査察は初めてで、火災が発生した現場や通報体制を確認した。対策が見直され、通報体制も改善されているとして「指導すべき点はない」とした。