寒空の下、ノリ養殖の冷凍網を張り込む漁業者=28日午前8時すぎ、小城市沖(撮影・山口源貴)

 佐賀県沖の有明海で28日、生産量日本一を誇る県産養殖ノリの主力となる冷凍網の張り込みが始まった。防寒着をまとった漁業者が海に突き立てられた支柱の間に網を取り付けた。摘み取りは来年1月上旬から始まる予定。

 冷凍網は、芽の出た秋芽網を冷凍保存した2期作目。秋に比べて水温が低く、ノリがゆっくり成長するため、安定した品質が期待できるという。

 この日は未明から県有明海漁協に所属する約700隻が出航。沖合で箱船に乗り換えた漁業者は、2人1組になって、5センチほどのノリが付いた網を慣れた手つきで広げていった。県有明海漁協の中野正利副組合長(70)は「秋芽は栄養塩不足もあって、不作な場所もあった。年末年始に栄養塩が回復してくれれば、今年もおいしいノリが期待できる」と話した。

 今季のノリ養殖は10月21日に始まったが、海況の違いによる地域間格差が大きくなっている。藤津郡太良町など県西南部地域の漁場では栄養塩不足が続き、同漁協たら支所の漁業者15軒は秋芽の第1回入札に全員が出品できなかった。海況を見ながら漁場を絞って冷凍網を張るなど対応に苦慮している。(山口源貴、中島幸毅)