佐賀県内にも寒波が押し寄せ、凍えるような日々が続く師走。道の駅鹿島の海岸をLEDライトでライトアップするイベントが12月18日に開かれることを知り、「心だけでも温まりたい」との思いが募った。鹿島市に車を走らせたが、家族は用事があったため車中は1人だけ。寒さと寂しさで、イルミネーションへの期待がさらに高まった。(地域ビジネス部 江島貴之)

道の駅鹿島の海岸をLEDライトでライトアップした「光のパレード」=12月18日、鹿島市

 「光のパレード」と銘打ったイベントは、鹿島市による地域循環共生圏の取り組みの一つだ。ノリ養殖の食害対策としてLEDライトでカモをノリ網から遠ざける事業が11月から始まっており、この事業を手がける企業が海岸のライトアップも担当した。「カモ食害のマイナスイメージを、プラスに変えたい」という関係者の願いが、イベントには込められている。

 段差のある海岸の最上部に、赤、緑、青色がセットになったLEDライトを4台設置。午後5時すぎに日が落ちると、次第に海岸が輝き出した。白い光は、ライトの前を人が通るたびにさまざまな色に変化し、さながら「光の滝」が海に向かって流れ出しているようだ。これは赤、緑、青の「光の三原色」を組み合わせると白になり、光を遮ると色が変化する効果を利用しているとのこと。不規則に色が変わる様子が楽しく、ライトの前でサイドステップを踏む人が続出した。

おなじみの「トゥクトゥク」が虹色のライトを照らしながら会場を走り、干潟交流館の壁面も虹色に彩られた

 鹿島市でのイベントではおなじみとなった「トゥクトゥク」も登場した。車の前後に虹色のライトをつけ、来場者を乗せて会場をのんびりと走った。隣接する干潟交流館の壁面も虹色のライトで照らされ、光のパレードはさらに鮮やかさを増した。

 期待通り、心を柔らかく包んでくれるようなイルミネーションだったが、カメラのモニターに写る家族連れやカップルの姿を見ると、なぜか寒さが身に染みる。そんな中年社員の心を温めてくれたのは、会場で振る舞われたコーヒーだった。

 フェアトレードコーヒーを扱う鹿島市の「Cafe&Bar GLAD」が無料でコーヒーを提供した。同店は「肥前鹿島干潟SDGs推進パートナー」にも登録している。光と虹が生み出すイルミネーションが鹿島の新たな観光資源となり、環境で鹿島を元気にする取り組みがさらに広がってほしい。コーヒーの温かさを感じながら、そう願った。