新型コロナウイルス感染症への感染の懸念から、健康診断の受診控えが続いています。自覚症状が現れにくい病気は少なくありません。2人に1人はかかると言われている“がん”も、早期がんでは無症状であることがほとんどです。過度な受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性があります。定期的な健康診断やがん検診を受けることが生活習慣病の予防や、がんの早期発見・早期治療につながります。まずは自分の体をきちんと知ることが健康維持の第一歩です。

 さらに、労働者50人以上の職場では、ストレスチェック制度が義務化されています。調査項目は57個あり、その内容は、次の三つ軸に分類されます。(1)仕事でのストレス因子(仕事の量的質的負担や裁量など)(2)心身のストレス反応(活気・イライラ感・不安や疲労感など)(3)周囲の支援(上司・同僚・家族や友人からの支援など)の結果が得られます。また、高ストレス者と診断された方は、産業医による面談を受けることができます。

 勤務時間については、「1日当たり8時間まで」「1週間当たり40時間まで」と上限が規定されており、時間外労働(残業)が1カ月80時間を超えると、産業医の面談を受ける必要があります。また、連続勤務で適法と認められるのは「12日まで」となり、13日を超えると違法となります。労働基準法の規定に違反して1週間に1回の休日を与えなかった場合、雇用者には6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることがあります。

 日本は先進国の中でも労働時間の長い国。同時に年次有給休暇の取得率の低さは世界でもトップレベルです。働き過ぎ、休まない…。このような現状から働き方改革関連法では、「長時間労働の是正と多様で柔軟な働き方の実現」「働き方改革の総合的かつ継続的な推進」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」に重点が置かれています。働き過ぎによって体調を崩されないように、よろしくお願いします。

 (九州大学キャンパスライフ・健康支援センター教授 佐藤武)