妊娠9カ月で破水した母親が緊急入院し、2歳児を日中に養育できなくなった家族が佐賀市に保育所の利用を相談したものの、担当部署がすぐに対応しなかったことが疑問視されている。開会中の市議会の一般質問で取り上げられ、保護者の病気や出産で緊急に保育を必要とする子どもを一時的に預かる仕組みの制度化を求める声がある。

 関係者によると、母親は11月10日に緊急入院し、40代の実母が市保育幼稚園課に相談した。夜勤もある介護職の実母は緊急の対応を求めたが、職員は「規則で1月初めまで難しい」と繰り返した。佐賀市では保育所の利用を希望する場合、決められた日程での事前申し込みが原則とされる。

 実母は入所可能な保育施設を自力で探し、施設から「定員に空きがあり、預かることができる」と協力の申し出を得たことを伝えたが、職員は通常の手続きを踏む必要性を強調した。最終的な受け入れ決定は11日夕方にずれ込んだ。

 一般質問で山下明子議員が経緯に触れると、大松明浩子育て支援部長は「緊急性が高いと判断し、すぐに保育所に入所できるよう調整した」と答弁した。

 実際は、実母から協力を求められた山下氏が一緒に担当課を訪れ、別の職員が対応してから利用が可能になった。大松部長は取材に対し「議員さんが来たから対応が変わったわけではない。困り感の判断が欠けていたこと、情報連携ができていなかったことが要因。改善に努める」と話した。

 全国には、保護者の病気や出産、家族の入院などで緊急に保育が必要になった子どもを預かる制度を整備している自治体がある。佐賀市は「緊急度を個別に判定し、必要に応じて入所を調整している」と説明するが、「待機児童もいる状況」(保育幼稚園課)として制度化はしていない。

 実母は「妊娠・出産だけではなく、緊急的に助けが必要な場合は他にもたくさんあるだろう。困った時に頼りになる行政であってほしい」と緊急対応の充実を望む。

 坂井英隆市長は「子育て世代に寄り添い、市民目線でのきめ細やかな対応をしていきたい」とコメントした。(川﨑久美子)

このエントリーをはてなブックマークに追加