試作品を確認するアイヌ文化の関係者や窯元の人たち=有田町役場

アイヌの文様を取り入れた皿の試作品

アイヌの文様の木彫り。この型から皿を作る

 有田焼と北海道釧路市のアイヌ文化の工芸がコラボレーションした商品開発が進められている。アイヌ工芸のアーティストがデザインした伝統文様を、有田焼の窯元が皿に仕上げるプロジェクトを展開。6日にアーティストらが有田町を訪れ、試作品を確認するとともに焼き物関連の視察を行った。

 商品開発はアイヌ工芸のブランド化の一環で同市の一般社団法人阿寒アイヌコンサルン(廣野洋理事長)が取り組んでいる。刺しゅうや木彫りなどの作家5人と有田町のやま平窯元(山本博文社長)、久保田稔製陶所(久保田剛社長)が協働している。

 アイヌ文様のデザインを染付にした皿(直径11センチ)6種類と、文様の木彫りから型を取って凹凸を表現した皿(同21、15センチ)3種類の計9種類を制作する。

 廣野理事長や木彫り作家の斉藤政輝さん(63)が松尾佳昭町長を表敬訪問し、有田陶器市の前身「有田五二会陶磁器品評会」にゆかりがある前田正名の話題になった。斉藤さんは、1878(明治11)年のパリ万博で有田焼の売り込みに尽力した前田の子孫が、アイヌ民族に土地を提供したことに触れ、「縁やつながりを感じている。どんな仕上がりになるか楽しみ」と期待を膨らませた。

 久保田製陶所の染付の試作品を披露した久保田社長(49)は「魔よけのアイヌ文様は、自然界への畏敬が込められていると感じた」と、吉祥文様を描く有田焼との違いに触れた。

 9種類の皿は2月中旬から、海外にもアイヌ文化を発信するため、米国のクラウドファンディング(CF)のキックスターターなどで順次取り扱いを始める予定という。(古賀真理子)

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