有明海特産の高級二枚貝タイラギの今季の漁について、福岡・佐賀両県の潜水器漁業者は7日、佐賀市で会合を開き、中止を決めた。調査で成貝が1個も見つからなかったためで、夏の記録的な大雨が影響したとみられる。漁の中止は10季連続で、佐賀県潜水器業者会の貞包保則会長は「厳しい。10年となると、後継者も育たない」と嘆いた。

 佐賀県有明水産振興センターが10月下旬に有明海湾奥部で行った生息調査では、全55地点で漁の対象になる成貝を確認できなかった。福岡県側の調査でも58地点でゼロだった。両県とも2年連続ゼロで、夏の大雨による海水の塩分濃度の低下などで貝が死んだと推測している。

 1996年度に318トンあったタイラギの水揚げは99年度以降、ゼロが目立ち、2012年度以降は資源が確認できず、休漁が続いている。国や佐賀など有明海沿岸4県は有明海再生事業に取り組み、タイラギの種苗生産に成功したが、稚貝が豪雨で死滅するなどして資源は回復していない。

 協議では、有明海の環境改善の要望書を両県や漁協などに提出することを決めた。貞包会長は記者団に「経験のない気候変動が毎年のように起き、タイラギがいなくなった原因を確定できずに困っている。一刻も早く復活するように取り組んでほしい」と話した。(宮里光)

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