12~14代中里太郎右衛門氏の茶わんを楽しむ来場者たち=唐津市の御茶盌窯記念館

中里家の名品を前に、しの笛の音色を響かせる佐藤和哉さん=唐津市の御茶盌窯記念館

 唐津市出身のしの笛奏者佐藤和哉さん(40)が、唐津焼をイメージした新曲を、市内の御茶盌(わん)窯記念館で披露した。中里太郎右衛門窯の名品に囲まれた空間で、来場者は厳かな調べに聴き入った。

 佐藤さんは中学時代に唐津くんちでお囃子(はやし)を奏でる横笛に出合い、和太鼓演奏のプロ集団に所属した後、しの笛奏者として本格的に活動。2013年に人気デュオゆずがリリースしたNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の主題歌「雨のち晴レルヤ」の作曲に携わった。

 初めて披露した新曲「火具土(かぐつち)」は土、火、光をイメージ。しの笛に加えて、高く鋭い音色を持つ「能管」を使い、燃え上がる炎と対峙たいじする職人の姿を表現した。

 14代中里太郎右衛門さんとの7年前の出会いをきっかけに唐津焼に触れ、構想を温めてきた。作曲に生かそうと、中里さんのもとで2週間ほど土の採掘から焼成まで体験し「静かな印象だった唐津焼から、しゃく熱の炎から生まれる火の芸術の意味を感じた」と振り返る。タイトルには古事記に登場し、地母神を焼き殺してしまう火の神様「火之迦具土神(かぐつちのかみ)」を重ねる。

 中里さんは「深く唐津焼を知った、これまでとは違った音楽。自分もより深みのある唐津焼を作らないといけない」と刺激を受けた様子だった。

 長崎市の今村マキさん(44)は「自然と一体になったような情景が浮かぶ演奏。唐津焼のやわらかな質感を感じる音色だった」と振り返った。(横田千晶)

 

 

■12日午後3時にオンラインライブ

 佐藤和哉さんによるオンラインライブが12日午後3時から開かれる。唐津市の幸多里の浜や鏡山、嬉野市の茶畑や田んぼのあぜ道など全編ロケでの演奏を配信する。

 「舞姫」「空色の想い出」など8曲の演奏とMCを含めた約90分で、歌番組のような構成になっている。国宝の薬師寺(奈良市)をイメージした新曲「瑠璃色の光」のミュージックビデオも初めて公開する。チケットは3千円、サイト「ピーティックス」での申し込みが必要。動画投稿サイト「ユーチューブ」でのアーカイブ配信も限定公開する。問い合わせは、電話050(3748)8093。

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