日野自動車の小型トラックのEV「デュトロ Z EV」

 EVベンチャー「ASF」と佐川急便が共同開発している小型EV

 トラックなど商用車で電気自動車(EV)の開発競争が加速している。物流業界の脱炭素化の需要を捉えるためだ。日野自動車といすゞ自動車は、2022年度に量産の小型トラックをそれぞれ初めて発売する。EVは1回の充電で走れる距離が短いため、長距離輸送よりも、地域の配達拠点と最終配送先までの「ラストワンマイル」で活用が進みそうだ。

 日野は積載量約1トンの小型トラック「デュトロ Z(ズィー) EV」を来年初夏に投入する。宅配向けに市街地での利用を想定しており、走行可能距離は100キロ程度を目指す。急速充電器を利用すれば1時間以内に満充電できる。地上高を約40センチと低くし、荷物の積み降ろしを楽にした。

 いすゞは2トン程度の小型トラックを販売する。既存のディーゼルエンジン車と同じ車台を利用して生産費用を下げる。EVは車載電池のコストが大きく、車両価格の高さが弱点になるためだ。主力の藤沢工場(神奈川県藤沢市)で生産する。

 EVベンチャー「ASF」(東京)は佐川急便と小型EVを共同開発している。佐川急便は配送で利用している軽自動車約7200台を30年までに小型EVに切り替える。来年9月から順次導入する。ASFが設計し、生産は中国の自動車メーカーが担う。

 佐川急便グループの車両が年間に排出する二酸化炭素(CO2)の約1割に当たる2万8千トンを削減できる。宅配に必要な台車を収納するスペースを設けるなど専用の仕様で使い勝手も高めた。

 佐川急便の担当者は「顧客も自社の荷物が出すCO2の量を注視している」と強調。シェア拡大に向け脱炭素の重要性が増していると指摘した。

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