コロナ禍で学生が入国できず、わずかな人数で授業を続けている日本語学校「弘堂国際学園」=鳥栖市田代外町

 新型コロナウイルス対策の入国制限で、佐賀県内の日本語学校や大学では学生を受け入れできない状況が続いている。2020年春から新たな留学生が入って来なくなり、11月に待ちに待った入国制限が緩和され、受け入れ手続きを本格化させた矢先、新たな変異株オミクロン株の急拡大で入国が再び禁止になった。刻々と変わる新型コロナの感染情報や国の方針にほんろうされている。

 鳥栖市の日本語学校「弘堂国際学園」は毎年100人以上いた新入生が、昨年は20人、今年は2人と激減した。定員226人に対し、現在の学生数は聴講生を含めても約30人。山本由子理事長は「コロナ禍前は駐輪場から自転車があふれていたが、今は数えるほど」とため息をつく。学費収入がなく、学生寮にしていたアパートを解約するなど経費削減を図ってきたが、「個々の対応には限界がある」と苦慮する。

 11月の制限緩和を受け、「またいつ制限されるかもしれない。手続きを急いで早く入国させよう」と朝の会議で話したその日の昼すぎには岸田文雄首相が入国制限を発表し、「職員一同、がっくりきた」。一方で「学生の感染も心配だし、感染源となった場合、本人や地域への影響も大きい」として、国の措置を仕方ないとも感じている。

 留学生の入国が1年半にわたってほぼ途絶え、日本語学校は大打撃を受けている。県が誘致し、15年に佐賀市に開校した日本語学校の運営企業は「撤退を含め経営について検討する」と県などに連絡してきたという。

 佐賀大学も18年に12人、19年に10人いた学部に入学する留学生が、新型コロナで入国制限が始まった20年はわずか1人になった。

 弘堂国際学園の山本理事長は「開校から20年かけて学生を育てるノウハウや地域とのつながりを培ってきた。今ここでやめるわけにはいかない」と切実な思いを明かす。融資や国の助成を受けながらやりくりし、自らの給与を削減、賞与は出せなくなったが全職員の雇用を守り、状況が好転するのを待っている。

 急ピッチで進めていた186人分の入学希望者の入国申請はストップ。次にどうすればいいか通達も来ない。「私たちが悲しんでばかりいても在校生に申し訳ない。いずれにぎわいを取り戻せると信じて、やるしかない」。コロナ禍が過ぎるまで、じっと我慢を続ける。(石黒孝、樋渡光憲)

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