過労死の現状や防止策について語った長井偉訓さん=佐賀市の県教育会館

 過労死防止対策を啓発するシンポジウム(厚労省主催)が29日夜、佐賀市の県教育会館で開かれた。愛媛大名誉教授の長井偉訓(よりとし)さん(70)=社会政策論、労働問題=が過重労働を改め、職場のハラスメントを無くすことの重要性を強調した。

 長井さんは月65時間以上の長時間労働で、2016年には世界で74万人が脳卒中や心疾患で亡くなったとする論文を紹介した。国内の過労死や過労自殺は40代が最も多かったが、近年はメディア業界で20~30代が増えていると説明。ネット技術の革新に伴う業態変容で業務量に対して人手が足りず、予定外の仕事への対応、短納期を迫られている背景があると指摘した。

 長井さんは「長時間労働に加え、パワハラで鬱(うつ)を発症し、正常な判断能力を失うのが原因。誰もがそうなる可能性がある」とし、信頼できる人や機関に相談するよう呼び掛けた。トップが働き方を見直し、ハラスメントを無くすために人権や人格を尊重する意識改革に取り組むよう訴えた。

 夫を過労死で亡くした女性、大学生のフリートークもあった。(大田浩司)

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