「逆境でも夢を見ることで乗り越え、成長できる」と話すJR九州の唐池恒二会長=佐賀市のガーデンテラス佐賀ホテル&マリトピア

 佐賀共栄銀行ビジネスクラブが29日、佐賀市であり、JR九州会長の唐池恒二氏が「夢みる力が『気』をつくる」と題して講演した。九州新幹線全線開業や豪華寝台列車「ななつ星」の導入、株式上場など実現困難と思われていた「夢」をかなえてきたことを振り返り、聴講した約250人の経営者らに「逆境と夢は、人と組織を強くする」と熱くメッセージを送った。

 唐池氏は九州新幹線の全線開業を2年後に控えた2009年に社長に就任した。その直後に幹部を集め、「鉄道事業で唯一最大の夢である九州新幹線が実現したら、組織に夢がなくなる」と説き、かねてから胸に秘めていたという豪華寝台列車のプロジェクトの立ち上げを指示したことを紹介した。

 当初は懐疑的な声もあったものの、「世界一豪華な寝台列車をつくる」という目標がデザイナーや乗務員希望者などを引きつけ、故十四代酒井田柿右衛門氏による客室用の洗面鉢制作にもつながり、唯一無二の列車として人気を高めていったとした。

 夢の原動力となる「気(エナジー)」を高めるためには「よくなろう、よくしようという貪欲さや、隙を見せない緊張感などが必要」と述べ、リーダーに求められる要素としては逆境をバネにすることや、まず行動することなど「10カ条」を紹介した。

 鉄道事業を取り巻く厳しい環境が続く中、今後は「日本一のまちづくり会社になりたい」と話し、鉄道と組み合わせたハード、ソフト両面の取り組みで地域ににぎわいをつくっていくとした。(大橋諒)

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