新型コロナウイルスの新たな変異株が各国で確認されていることを受け、日本政府が全世界を対象に外国人の入国を原則停止とする水際対策を打ち出した29日、外国人技能実習生を受け入れている佐賀県内の企業などからは「今後いつ入国できるようになるのか」と懸念が相次いだ。一方、医療関係者からは「これまでにないスピード感ある対応」と評価する声が上がった。

 「ネットで見て驚いた。水際対策が大切ということは分かるが、全世界というのはちょっと…」。技能実習生を定期的に受け入れている県内のメーカーの担当者は戸惑いを隠さない。昨年4月の入国予定が大幅にずれ込んでおり、「来年2月ごろには入国できるのではと準備を進めていた。計画とのずれが続き、コロナに翻弄(ほんろう)されっぱなし」とため息をつく。

 海外と取引がある別のメーカーも技能実習生の入国が再びストップすることについて、「受け入れたいが、入国がいつから可能になるのかはっきり分からないので検討が難しい」。「(今月8日の)入国制限緩和後に技能実習生が国内にどれくらい入ってきているかも不透明」と話す。

 影響は留学生にも及ぶ。佐賀大広報によると、入国が実現していない留学生は中国やネパールなど6カ国21人に上り、最も長いケースで1年8カ月もの間、入国できずにいるという。「今回の国の方針転換を受けて、入国に向けた作業が中断する例が出てくるだろう」と話す。

 一方、「第5波」では、感染力が強いインド由来の変異ウイルス「デルタ株」が拡大しただけに、海外との往来を規制する意義は大きい。コロナ患者の治療にあたる佐賀県医療センター好生館の福岡麻美感染制御部長は「これまでにないスピード感の対応」と国の判断を歓迎する。

 「早い段階での厳重な措置は、感染制御の観点から重要。国内の態勢を整える時間的余裕ができる」と評価。その上で新変異株について「過剰に恐れすぎず、正しい情報を持って冷静に行動してほしい」と呼び掛けた。(大橋諒、石黒孝、北島郁男)

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