鯨組主中尾家屋敷の重要性や活用について説明する五島昌也氏=唐津市呼子町

屋敷に残された杉戸絵。企画展で初公開されている

観濤閣の座敷に飾られていた柿のデザインのくぎ隠し=唐津市呼子町の中尾家屋敷

 佐賀県重要文化財に指定されている唐津市呼子町の「鯨組主中尾家屋敷」でこのほど、開館10周年に合わせたフォーラムが開かれた。江戸時代から170年にわたって捕鯨業を営んできた屋敷を保存する意義を確認し、今後の活用の在り方を考えた。

 文化庁文化資源活用課の五島昌也氏が、文化財の修復の考え方ついて「建物として最も中身が充実していた時代の姿に復元すること」などと説明した。屋敷は来賓や藩主らの宿泊場所「観濤閣かんとうかく」が併設してできた天明3(1783)年に合わせて修復されていて、「漁師、網元の街や商家などの景観を形成する核になっている。地域全体から見ても唯一無二」と指摘した。

 屋敷の活用に関しては、ホテルやレストランを併設する国重要文化財の東京駅などを引き合いに「文化財になったから何もできなくなるのは昔の話。文化財として大事な要素を残す前提で活用することに流れが変わってきている」と強調した。

 屋敷では12月7日まで「再考鯨組主中尾家屋敷」と題した企画展が開かれている。初披露の杉戸絵や、観濤閣で使われていたくぎ隠しなど約10点が並ぶ。(横田千晶)

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