国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の効力を争う請求異議訴訟の差し戻し控訴審の第7回口頭弁論が12月1日、福岡高裁(岩木宰裁判長)で開かれる。高裁は漁業者側と国側に和解協議を提案したものの、双方の意見が折り合わずに協議入りを断念。1日に審理を終結、本年度中の判決言い渡しを見込む。

 2019年9月に最高裁から高裁に差し戻され、20年2月から口頭弁論と進行協議を1カ月ごとに実施。高裁は21年4月に「話し合い以外に解決の方法はない」として和解協議に関する考え方を文書で示し、開門・非開門の前提を設けない和解協議を提案した。その際、国側には積極的な関与を強く促していた。

 漁業者側は、高裁が示した和解協議の提案について賛意を示した。差し戻し控訴審が始まって以降、和解協議に関する上申書を計8回提出。「和解による終局的解決を図る社会的要請・必要性は大きくなっている」などと訴えていた。

 一方、国は「開門によらない基金による和解」を目指す17年の大臣談話を踏襲。基金案に加えて「和解条項の提案があれば真摯(しんし)に検討する用意がある」としつつも、「開門の余地を残した和解協議の席には着けない」と強調した。

 1日の口頭弁論では、漁業者側は藤津郡太良町の平方宣清さんが漁業の窮状などを意見陳述し、弁護団は国に「話し合いの場を設けるべき」などと改めて主張する見通し。一方、国側は「必要な主張、立証は尽くしている」とし、必要に応じて追加の主張などを検討しているとしている。(小部亮介)

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