西本願寺に寄贈する「応龍」を持つ樋口憲人さん(左)と「団龍」を手にする桃谷法信住職=有田町の乃利陶窯

 京都市の西本願寺にある国の重要文化財「経蔵」を装飾する有田焼の陶板を再現した有田町の樋口憲人さん(73)=乃利陶窯=が、作品を同寺に寄贈することになった。約340年前に陶工が用いた技術や焼成方法を研究し、上絵で鮮やかな「龍」を施した。12月6日に同寺に出向いて贈る。

 陶板は約25センチ四方、厚さ最大約5センチで、陶箱のような形状。龍が円状になった「団龍」と、翼を広げた「応龍」の2種類がある。西本願寺の経蔵は、仏教の経典を総集した大蔵経が収められており、陶板は内側の腰壁として312枚が張り巡らされているという。

 樋口さんによると、陶板は当時、野中烏犀圓(うさいえん)(佐賀市)が資金を集め、制作を依頼したといい、「松浦郡有田皿山土肥源左衛門」作の銘が残る。龍の絵柄は微妙に描き方に違いがあり、樋口さんは「複数の職人で描いただろう」と推察する。

 再現には約5年前から本格的に取り組み、19年ごろには納得いく形ができるようになった。有田町のふるさと納税の返礼品に採用され、注文があれば販売も行う。

 同町の法泉寺住職、桃谷法信さん(74)の橋渡しで寄贈が実現し、2人で西本願寺を訪れるという。樋口さんは「経蔵の建築当時、有田で色絵の焼き物を作っていることが知られていたと思うと感慨深い。先人陶工たちの技術の高さに感心する」と話し、寄贈を心待ちにしている。(古賀真理子)

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