佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画で、佐賀県有明海漁協が、県との間で結んでいる自衛隊との空港共用を否定した協定について「土地の概算買収額が示されること」などの条件を付けた上で見直す方向で議論することが分かった。30日に漁協本所で幹部会議を開いて議論する。防衛省による要請から7年以上にわたり協議の中心にあった協定が見直されるかどうか、重要局面を迎える。

 防衛省九州防衛局は、配備候補地の買収額の算定に関し、不動産鑑定が必要で「協定見直しの方向性が出なければ提示できない」とし、漁協や地権者が反発していた。30日の会議で漁協が「条件付き協定見直し」を決定した場合、防衛省は土地価格の算定手続きに入るとみられる。

 漁協は土地価格について金額の条件は課さず、あくまで地権者の判断材料となる概算額を示すよう求める方向。このほかの条件として、取得する土地の面積や、具体的な駐屯地からの排水対策を明示するよう求める方向で検討する見通し。

 漁協は協定の当事者である一方、配備候補地の地権者が多く所属する組織でもある。これまで漁協は「協定の見直しと、配備受け入れは別の問題」との認識を強調していた。示された条件に基づき、最終的に土地を売却するかどうかの判断は防衛省と地権者の交渉に委ねるとみられる。

 山口祥義知事は2018年8月、空港管理者として配備要請の受け入れを表明し、漁協に協定の見直しを求めた。漁協は「先に地権者の意向を確認した上で協定を見直すかどうか判断する」としていた。夏に実施された地権者約560人へのアンケートでは26%が「売却しない」と回答する一方、「売却する」が29%、「条件次第で売却する」が43%で、合計で約70%を占めていた。(取材班)

 

 公害防止協定の自衛隊に関する記述 佐賀県が佐賀空港建設時に地元の8漁協(現・県有明海漁協)と結んだ協定の覚書付属書の中に、質疑応答形式で記載されている。「覚書に『自衛隊と共用はしない』旨を明記されたい」との漁協の要請に対し、県の考えとして「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えはもっていない。また、このことは協定第3条の『空港の運営変更』にもなることであり、当然に『事前協議』の対象になるものであると考える」と明記している。

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