朝晩の冷え込みが厳しくなるとともに、夜間頻尿が気になる季節になってきましたね。夜にトイレに起きることで寝不足になるのも気になりますが、さらに冬の夜には寒くて寝床から出たくないものです。おそらくもともとはこういった誰もが共感する悩みのひとつだった夜間頻尿ですが、10年ほど前に夜のトイレの回数が多いほど寿命が縮まるという研究結果が発表されてから、現在までに治療について多くの知見が蓄積されてきました。テレビや雑誌などで特集が組まれるようになり、治療を希望して受診される方も増えています。

 夜間頻尿の患者さんはぼうこうが小さくなっていておしっこがたまらないせいだと認識されていることが多いのですが、夜間頻尿の治療については、ぼうこうがおしっこをためられる量を増やすこと、腎臓がおしっこを作る量を減らすこと、睡眠をしっかりとること、の3つが大きな柱です。特におしっこを作る量を調節することは欠かせないポイントです。そしてこの3つのそれぞれに、薬による治療と行動療法、つまり生活習慣の改善が大切になってきます。

 夜間頻尿の治療がなかなかうまくいかない場合には、排尿日誌をつけることをおすすめします。排尿した時間とともに排尿した量を測ります。かなり大変な作業になるのですが、これを行うことで排尿や飲水のくせが見えるようになり、より適した治療を進めていくことができます。

 他に夜間頻尿の改善に効果的な方法として、夕方の運動があります。30分以上のウオーキングなど、足を動かす運動をするのがよいでしょう。これにより足の筋肉を適度に鍛え、足にたまった水分を日中のうちに体外に排せつさせるように循環を促すとともに、適度な疲労により睡眠ホルモンの分泌が促進されて眠りの質を向上させると言われています。(なかおたかこクリニック院長 中尾孝子)

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