冷たい海にすむ巻き貝の一種「クリオネ」は、その愛らしい姿から「流氷の天使」と呼ばれる。だが、餌を食べる時は頭部から6本の触手が伸び、悪魔のように見えるという◆そんな悪魔の心が宿ったのだろうか。安全なはずの学校でまた、心痛む事件が起きた。愛知県の中学校で男子生徒が同級生に刺されて亡くなった。加害生徒を突き動かした感情は何だろう◆クリオネの捕食は生きるための本能。私たちも命をいただいて生きている。ただ、動物と人の決定的な違いは「思考」できること。なぜ人の命を奪ってはいけないのか。答えは「人は生きるために生まれてきたから」。人はなぜ生きるのか。それは「人を幸せにするため」と考える◆04年に長崎県佐世保市の小学校で起きた女子児童殺害事件も同級生による惨劇だった。当時はインターネットが身近になった頃。ネットの掲示板への書き込みが仲たがいの一因とされた。喜怒哀楽で厄介なのは怒り。この厄介な感情は「心のブレーキ」で制御するしかない。怒り、憎しみなど負の感情を抱く時は理由を考えるため立ち止まろう◆クリオネは飢えに強く、1年絶食しても大丈夫という。対する人は、心身とも飢えに弱い。心の飢えを癒やすのは優しさや思いやり。そんなプラスの感情は学校をはじめ、あらゆる場所でアクセルを踏みたい。(義)

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