2年連続で一般公開が中止となった「九年庵」で、配信用の動画を撮影するANAチーム羽田オーケストラのメンバー=神埼市

 コロナ禍で一般公開できない紅葉の美しさを音楽などとともに届けたいと、神埼市神埼町の国名勝「九年庵」で24日、オンライン配信に向けた撮影会が開かれた。濃い赤色に染まった庵内に音楽が響き渡り、例年とは違った風情がカメラに収められた。

 ANAチーム羽田オーケストラの10人は、ANAの公式テーマソング「アナザー・スカイ」と「情熱大陸」を演奏した。バンドマスターの崔竜(チェヨン)さん(37)は「直接は紅葉を見られないけど、配信で美しい背景とともに音楽を楽しんで」と思いを込めた。

 九年庵には大隈重信が最後の帰郷で立ち寄ったとされており、佐賀市出身の俳優・青柳達也さんが晩年の大隈を演じた劇を収録。唐津市出身のしの笛奏者・佐藤和哉さんも演奏した。

 これまで九年庵は春と秋の年2回、一般公開してきたが、コロナ禍で昨春から4回連続の中止となった。公開する動画のタイトルは「さがびとたちの休日」で、県が文化芸術支援として展開する「LiveS Beyond(ライブスビヨンド)」で配信する。12月中の予定。県文化課の久保緑さんは「九年庵の紅葉の美しさと知られざる佐賀の歴史を改めて知っていただけたら」と話す。

 九年庵周辺の紅葉はいま、見頃を迎えている。地元の50代女性は「今年の紅葉は特にきれい」と話し、毎年訪れる久富多亀夫さん(74)=佐賀市=は「スケールが大きい分、仁比山神社の紅葉もきれい」と常連の楽しみ方を教えてくれた。(森田夏穂)

このエントリーをはてなブックマークに追加