県警交通企画課の課員から指導を受け、ハンドサインを実践する佐賀清和高の生徒=佐賀市の同校

 横断歩道は手を挙げて渡る-。佐賀県警は、横断歩道上での人身事故撲滅へ新たな取り組みを始めている。手を挙げて運転手に道路横断の意思を示す「ハンドサイン」を子どもだけでなく、大人にも促す。県警は「自身の命を守ることにつながる。恥ずかしがらずに励行を」と呼び掛ける。

 18日夕、佐賀市の佐賀清和高前にある信号機のない横断歩道。手を挙げたり、運転手とアイコンタクトを取ったりして渡る生徒の姿があった。県警が同日から開始した「ハンドサインで渡ろう運動」。2年の小野原京花さんは「正直、恥ずかしさはあったけど、ハンドサインをやったら止まってくれる。事故を防ぐことができるのではないかと感じた」と口にした。運動の「旗振り役」となった2年の執行智貴さんも「手を差し出したり、ドライバーに目線を送ることならできる」とうなずく。

 県警交通企画課によると、横断歩道上での人身事故は減少傾向にある。2016年が153件だったのに対し、20年は94件。21年10月末までに2件の死亡事故を含む52件が発生し、このうち信号機のない横断歩道は23件だった。

 県警の取り締まり強化が背景の一つとして考えられる。県警交通指導課によると、横断歩行者妨害の摘発は19年が1266件。20年には「ゼブラ・ガード作戦」と銘打って取り締まりを強化し、1608件に増えた。21年も10月末までに1748件となっている。

 一方で、日本自動車連盟(JAF)がまとめた信号機のない横断歩道での車両の一時停止率は、2021年の全国平均が30・6%だったのに対し、佐賀県は21・7%で前年から3・6ポイント改善しているが全国ワースト11位となっている。一時停止率が改善しない要因について県警は「横断歩道や歩行者の存在に意識が向いていない」と分析する。

 県警交通企画課は10月25、26の両日、佐賀市内の信号機のない横断歩道21カ所でハンドサイン横断を実施。2日間で計100台のうち92台が停車し「極めて効果が高い」(同課)と手応えを感じたという。

 歩行者がいる横断歩道の手前で一時停止することは、道交法38条で定められているルール。「すぐには浸透しないかもしれないが、全員がハンドサインをすることで横断中の事故はゼロになるはず」。県警はハンドサインの意識浸透に加え、「緩やかな凸部(ハンプ)」を横断歩道に設けて減速を促す実証実験を11月24日から佐賀市内で行い、効果を検証する。

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