10月に就任した金子原二郎農林水産相が20日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)の開門問題を巡り、佐賀、長崎両県を訪れる方向で調整していることが関係者への取材で分かった。近年の歴代農相は就任後に現地視察や両県知事との意見交換をしてきたが、今回は佐賀県の山口祥義知事と会う予定は入っていない。

 関係者によると、金子氏は20日午前、佐賀市で開門訴訟の漁業者側弁護団と意見交換をする。午後は長崎県諫早市の干拓地を視察した後、市内で長崎県の中村法道知事ら関係者との意見交換を予定している。

 金子氏は10月5日の大臣就任会見で、歴代農相が示してきた非開門の姿勢を踏襲する考えを示し、両県訪問に関し「特に佐賀県の皆さんの意見を聞かなければならない」としていた。山口知事は10月7日の定例会見で和解協議に後ろ向きな国の姿勢を問題視し「佐賀県に非開門前提で話を聞きに来られる趣旨が分からない。訪問の意図を明確にしてほしい」と述べていた。

 開門確定判決の効力が争われた訴訟の差し戻し控訴審を巡っては、福岡高裁が4月に国と漁業者双方に和解協議入りを提案した。国側は「開門の余地を残した協議の席には着けない」と主張していた。福岡高裁は10月下旬に和解に向けた協議を打ち切り、本年度中に判決を言い渡す見通しを示している。(取材班)

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