衆院選などがあって取り上げる機会を逸したニュースがある。先月初めに報道された「パンドラ文書」。もっと注目されるべき資料だと思うが、紛れ込んだ感がある◆パンドラ文書は、国際調査報道ジャーナリスト連合が入手した。パナマなどの租税回避地に設立した法人を使って不動産を所有するなど、世界の現旧首脳35人が税逃れや不都合な蓄財を隠すために利用してきた実態を明らかにしている◆文書には政治家や経済人、歌手など世界の著名人が登場する。その中には富裕層への課税強化を訴えた英国のブレア元首相や「企業が喜んで納税する国づくり」を主張したチェコのバビシュ首相も。真面目に納税している国民にすれば「やってられないよ」という思いだろう◆NHK大河ドラマ「青天を衝け」に、渋沢栄一が大隈重信らとともに税制の近代化など国づくりに尽力する場面があった。納める側ができるだけ少なくと思うのは人情だが、税は国の根幹であり、その重要性は理解したい◆きょうから「税を考える週間」。税を考えれば、その出入りを決める政治にも関心が向く。税逃れの政治家など許せるはずもない。ちなみに、きょうは渋沢の没後90年。渋沢ならコロナ下の経済政策をどう進めるだろう。岸田内閣が再出発した。先人に負けないように、知恵の絞りどころである。(知)

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