創業71年を迎える老舗旅館「和多屋別荘」(嬉野市)が、その広大な敷地のイノベーションプロジェクトとして掲げる“Reborn Wataya Project”。その皮切りとして11月3日、館内に新たに7つの施設がオープンしました。

 正面玄関入って正面、ロビーの真ん中に構えるのは、ポップアップストア。来年1月までは、株式会社日本香堂が10月に発表したばかりの新しいフレグランスブランド「Yohaku」を展開します。同社の期間限定のポップアップは国内初の試み。クスノキやヒノキ、ユズなどの自然の香りが訪れる人を迎えてくれます。

日本香堂のポップアップショップでは、アロマオイルやミストなどを販売

 フロント横には、「Made in ピエール・エルメ」が県内初出店。ブランドの代表的な菓子・マカロンやマドレーヌなどの人気商品から、調味料や加工品などピエール・エルメ氏が厳選した日本の食材とのコラボ商品まで約30アイテムが並びます。その奥には、県産の食材や加工品、和多屋別荘内のレストラン考案の日替わりデリ(総菜)などを販売するデリカテッセン「季設」も設けています。
 

手前にピエール・エルメ、奥はデリカテッセン「季設」、そのさらに奥にはイートインスペースもある
マカロンは浮世絵をモチーフにしたスタイリッシュなパッケージにも注目

 館内を奥に進むと、今回のプロジェクトの肝ともいえる“読書とお茶を愉しむための空間”「BOOKS&TEA三服」がお目見え。「三服」というネーミングには、「一服といわず、二服、三服と、お茶を飲み一服するという行為をより多く、深く体験してほしいという思いが込められています。その中心となるのは、約1万冊の本を自由に閲覧・購入できる書店。嬉野ならでは「お茶に関する本」、衣食住にまつわる「暮らしの基本となる本」、アートや文学など「暮らしを彩る本」の3つのジャンルの本を置いています。奥へ行くほど静かで重厚な雰囲気へと変化する独特の空間は、私たちを非日常へといざなってくれそうです。

 嬉野で100年以上続く茶農家「副島園」の茶葉販売と茶寮スペース、佐賀市内にアトリエを構え、県産を含むさまざまな素材を“香り”と“口溶け”にこだわりショコラに仕上げる「8cacao」のショップも併設。

「三服」の席利用は宿泊者無料、一般は有料(1100円)。店内では飲食も可能
副島園のカウンター。一煎目、二煎目と異なる味わいを堪能して
季節の菓子とお茶のセットは1500円

 副島園のカウンターでは、希少茶葉を目の前でいれてもらえるほか、地元ゆかりの菓子とのセットや8cacaoのショコラとのマリアージュも楽しめます。

8cacaoのショコラは一粒330円~。素材が生きたチョコレートは感激の味
書店内には、ステンドグラスや旧玄関など、昔の面影を残す空間も

 隣接する「設」は、同館が2018年から展開する、客室やレストランなどで使用するクラフトアイテムをそろえたセレクトショップ。リニューアルにあたり、アイテム数を100点ほど増やしました。暮らしを豊かに彩る質の良い商品が並びます。 

300アイテムをそろえるセレクトショップ「設」

 「旅館は“泊まる”場所から、“通う”場所へ。地元・佐賀の人たちにも足を運んでもらえれば」と代表取締役の小原嘉元さん。老舗旅館が生まれ変わるプロジェクトはまだ始まったばかりです。今後の進化を楽しみにしつつ、まずは今回オープンする7施設を体験してみましょう。(岩永真理子)

DATA

住/嬉野市嬉野町下宿乙738
電/0954-42-0210
営/施設により異なる
休/なし
駐/有料Pあり
IG/watayabesso_official
HP/https://wataya.co.jp

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