村岡 安廣さん

旭日双光章の大原巖さん(伊万里市)

唐津プレシジョンの竹尾啓助社長

徳永重昭 県有明海漁協 前組合長

 2021年秋の叙勲受章者が3日付で発表された。佐賀県内の在住者では、地方自治や産業振興などの分野で功績があった34人が受章し、内訳は旭日章7人、瑞宝章27人だった。4人の喜びの声を紹介する。

 

■旭日小綬章

村岡安廣さん(73) 小城商工会議所会頭

 商議所会頭になり4期11年。故郷・小城市の産業振興のため奔走してきた。受章の知らせに「先達の熱意と苦労のおかげ。無我夢中でやってきて、たまたま私がいただいた」と感謝する。

 会員の親睦を目的に、まちづくりや歴史をテーマにした交流会を発案。これまでに36回開かれ、延べ1200人が参加した。新規事業や地域の活性化に励む会員の表彰制度も設けた。

 1899(明治32)年創業のようかん店「村岡総本舗」社長。小城市観光協会の代表理事、まちづくり会社の社長も務め、長崎自動車道のインターチェンジ開設、西九州大の誘致に尽力した。「小所帯の会議所だが、力を合わせて地域を明るくしていきたい」。小城市小城町(谷口大輔)

 

■旭日双光章

大原巌さん(83) 元伊万里市公平委員会委員長

 伊万里市公平委員会の委員長を15年務めた。委員会は市長から独立した市職員のための機関で、勤務条件や処分に関する不服申し立ての審査などをする。受章について「私でええんかいなと思うけど、役に立ったと思われたなら幸いです」と穏やかに笑った。

 名村造船所で工員として働き、約50年前の大阪から伊万里への工場移転とともに移り住んだ。労働組合の委員長を務め労働運動に長く関わった経験が、公平委員会でも生かされた。

 近年、行政の効率化が進められ、公務員の職務環境も厳しくなっている。「職員が孤立したり、ストレスを抱え込んだりしないように、委員会を利用してほしい」と呼び掛ける。伊万里市立花町。(青木宏文)

 

■旭日単光章

竹尾啓助さん(77) 唐津プレシジョン社長

 創業100年を超える工作機械メーカー唐津プレシジョン(唐津市二タ子)を支え、4代目の社長を務める。歯車を形成する機械や大型旋盤が主力商品。竹尾社長は「受章は個人としては力不足。産業の底辺を支えた、多くの社員によるもの」と感謝の思いを語る。

 大学卒業後に東京都のアルミニウムメーカーに勤め、父の会社を50歳で継いだ。「会社としてどう生き残るか」。社長としての27年間、鋳物製作の事業撤退や3度の人員削減も経験した。現在は社員150人と当初の半数以下に。「苦しかったが、ピュアな技術力がついてきた」と話し、「数年後に品質の差が出てくるのが工作機械。良いものを作る、ものづくりにまい進したい」。唐津市栄町。(横田千晶)

 

■旭日単光章

徳永重昭さん(73) 県有明海漁協前組合長

 県有明海漁協の組合長を2020年まで2期6年務め、生産日本一を誇るノリ養殖の振興や有明海再生に力を尽くした。「こんな章がもらえるとは思いもせず、恐縮している」と話す。

 ノリ漁は年ごとに状況が変わる。その中で「いかに生産量をあげるか」と心を砕き、ノリの集団管理をリードしてきた。有明海の環境悪化では、隣県とともに国へ改善を要望。諫早湾干拓問題やオスプレイ配備計画にも対処してきた。

 海の暮らしは60年近く。中学を出て実家の漁業を継ぎ、ノリ養殖を草創期から知る。「いろいろあったが、この海を大事に利用すれば、漁業者は暮らしていける」と話す。自治会長を務める傍ら、今でも海で息子の作業を手伝っている。佐賀市川副町。(宮里光)

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