佐賀新聞社は31日投開票の衆院選で、佐賀1、2区に立候補した4人に政策など24項目を問うアンケート調査を実施しました。それぞれの設問で賛否、評価などを選択してもらい、理由や考えを記述式で回答してもらいました。(それぞれ上から届け出順)

佐賀選挙区立候補者 政策アンケート

 
 

 

設問

  1. 佐賀県の活力生む政策
  2. 議員活動への自己採点
  3. オスプレイ配備計画
  4. 玄海原発3、4号機
  5. 核燃料サイクル
  6. 原発の新増設・建て替え
  7. 九州新幹線長崎ルート
  8. 諫早和解協議案への国の対応

 

問17/ 佐賀県の活力生む政策

少子高齢化や人口減少が進む中、佐賀県の活力を取り戻すためにどんな政策が必要だと考えますか。地域の実情を踏まえた具体的な政策を説明してください。

岩田氏  佐賀県の伝統・文化を活かした産業で雇用の創出を図り、県全体として労働力人口を呼び込む必要があると考えます。市町村が競争し合うのではなく、隣接市町村との事業連携やデジタル技術を活用して、自治体・学校・経済団体が連携し地域経済を活性化、地方の仕事づくりと担い手の支援、まちづくり等、地方創生を支援します。
原口氏  少子高齢化・人口減少は、緊縮デフレ政策の結果であって一つの深刻な現象である。積極財政と消費減税で衰退から成長に。所得が低く結婚したくても結婚できない状況を変える。あわせて働きながら子育てしやすい環境を整え、教育費の無料化、奨学金の拡充、免除をはかる。
大串氏  1次産業の所得を安定させることで、地域に若者が残れる土壌をつくる。そのために農業者戸別所得補償制度を復活させる。中央集権型の政治を改めて、地方に財源と権限を抜本的に移し、佐賀県が強い魅力を持つ観光資源の発信、デジタル化社会に適した企業誘致等を地方独自に打ち出す体制を強化。
古川氏  少子化対策としての結婚・出産支援、子育て世帯への経済的支援、職場環境づくり等の社会環境整備のほか、コロナ禍のライフスタイルの変化から、都市部人材の地方企業との兼業・副業の促進、サテライトオフィス、ワーケーション受け入れなどを積極展開することにより多方面から活力を取り戻せると考えます。

 

問18/ 議員活動への自己採点

この4年間の議員活動、公約の達成度について100点満点で自己採点してください。その理由も説明してください。

岩田氏 50点
 防衛大臣政務官、自民党国防部会長代理として国の安全保障に取り組むとともに、地元では、有明海沿岸道路の整備、城原川ダム建設事業の推進、農業の振興に力を注いできました。
原口氏 100点
 前回総選挙の公約であった大きなかたまり、もう一つの政権政党、立憲民主党を結党までこぎつけ政権交代できるまで育てた。国民投票法から日本版EUA法案に至るまでさまざまな立法の先頭に立ち、国民の命と暮らしを守る消費税減税公約も実現した。若手人材、特に女性人材の育成にも成功した。
大串氏 80点
 4年前の総選挙の際、野党勢力がバラバラになったことを受けて、今後野党をもう一度まとめるためのリード役を果たし、大きなかたまりを作ることを公約とした。結果、衆参議員150人規模の野党第一党となったが、まだ一部の同志とはともに活動するに至っていない。さらなる努力を要すると感じている。
古川氏 80点
 地元の農業者の思いを自民党に届け、政策につなげました。棚田地域振興法など議員立法を実現しました。また、新型コロナ対策の政策集を自ら作成して約1万人に届けたり、高校生に対する街頭演説の実施などコロナ禍の中での有権者との対話に尽力。先日の災害対策でも被災地の事業者のための特別な支援策を創設しました。

 

問19/ オスプレイ配備計画

国が要請している佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画についてどう考えますか。

岩田氏 賛成
 陸自オスプレイは、部隊を迅速かつ大規模に輸送・展開することができるため、島嶼(とうしょ)部への侵攻に対処する水陸機動団が所在する相浦駐屯地に近い佐賀空港に配備することで、島嶼防衛能力が強化されるほか、九州をはじめ各地に所在する部隊を機動的に展開・移動させることも可能であり、各種事態における自衛隊の対処能力が強化されます。
原口氏 反対
 オスプレイはそもそも国防に役に立たない。「佐賀県は何もないのだからオスプレイ基地ぐらい受け入れろ」という佐賀県民を愚弄(ぐろう)した姿勢の報いを受けてもらう。米軍オスプレイ基地の代替なのにうそを言い県民の頬を札束でたたく者を許さない。
大串氏 反対
 最も身近で影響を受ける方々の意見が、最も尊重されるべきと考える。現在の防衛省からの地元への説明、対応ぶりを見るに、幅広い理解と納得が得られているかは疑問であり、現段階で強行的にオスプレイ配置を進めることは不適当と言わざるを得ない。
古川氏 賛成
 日本を取り巻く安全保障環境が不透明な中、島嶼防衛のために佐世保に創設された水陸機動団を運用するためには佐賀空港へのオスプレイ配備は必要だと思います。一方県民の安全・安心の観点から、環境等への影響と対策・オスプレイの安全性・公害防止協定の問題も含め、地元関係者の不安払拭(ふっしょく)を丁寧に進めるべきです。

 

問20/ 玄海原発3、4号機

九州電力玄海原発3、4号機を今後どうすべきだと考えますか。

岩田氏 運転を継続
 2050年カーボンニュートラルに向けて、脱炭素電源として持続的に活用していくべきと考えます。今後も、原子力規制委員会の審査に適切に対応し、安全な運転を進めるよう事業者に要請します。
原口氏 目標時期を決めて停止
 2030年代原発ゼロは、危機管理の観点からも重要だ。ただその際に原発人材、経営、技術にまで影響が及んではならない。雇用を守り技術を育み廃炉に向かわせるためにも手上げ方式で電力会社から国が原発を買い取り、国の責任において原発ゼロを実現する。
大串氏 目標時期を決めて停止
 現在の原発については、基本的に運転期間が法定されている。その上で、再生可能エネルギーを含めた電力の安定供給、立地地域の経済・雇用への影響、廃炉により電力会社に生じる損失の国による補塡(ほてん)の必要性等を、現実的な視点から十分踏まえながら対応するべき。
古川氏 運転を継続
 本年4月の原子力規制委員会の規制基準改正により、九州電力は耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)を新たに追加する原子炉設置変更許可申請書を提出し、現在規制委員会による審査中と承知しています。世界で最も厳しい水準の規制基準に適合する形で安全に運転が継続されるものと考えます。

 

問21/ 核燃料サイクル

核燃料サイクルについてどう考えますか。

岩田氏 維持すべき
 資源の有効活用、高レベル放射性廃棄物の量と有害度を減らすという観点から、再処理やプルサーマル等について自治体や国際社会の理解を得つつ取り組みます。六ケ所再処理工場とMOX燃料工場は安全確保を大前提に施設の竣工と操業に向けた準備を進めます。高レベル放射性廃棄物は最終処分に向けた取り組みを着実に進めます。
原口氏 見直すべき
 核燃サイクルは、もんじゅの事故などもあり既に破綻している。核廃棄物貯蔵にも限界がある。使用済み核燃料の中間貯蔵施設もむつ市にしか建設できなかった。プルサーマルも進展しない。ほとんどがウランのリサイクルにはならない。核燃サイクルを継続する意義はない。
大串氏 見直すべき
 国内再処理施設が稼働した際、わが国の保有プルトニウムの増加の可能性に対して国際的な注目が集まる可能性があることから、現在のままの形での核燃料サイクル計画は困難となってきているが、その場合でも、関係自治体等との丁寧な協議の枠組みを構築し、協議を十分重ねることが必要。
古川氏 維持すべき
 日本が目標に掲げている2030年度の温室効果ガス46%減(13年度比)は、原発30基稼働が前提の数字となっており、核燃料サイクルを止めると目標実現は不可能となります。また、現在、使用済み燃料のプール貯蔵量が100%に近づいており、核燃料サイクルを止めると現実に動く原発すら動かすのが難しくなります。

 

問22/ 原発の新増設・建て替え

原発の新増設や建て替え(リプレース)についてどう考えますか。

岩田氏 どちらともいえない
 原子力は安全性の確保を最優先に国民の懸念の解消に全力を挙げたうえで、まずは原子力規制委員会の審査基準を満たした原子炉の再稼働を進めます。原子力発電の新増設については現状は想定しておりません。
原口氏 すべきではない
 日本の国土は狭く東京電力福島第1原発事故で明らかなように安全神話にあぐらをかいた過酷事故は、取り返しのつかない国民の命の危機、国土の危機を招く。日本を取り巻く厳しい安全保障環境からみても国家安全保障上も脆弱性となることをこれ以上、容認できない。
大串氏 すべきではない
 現在の原子力発電にかかる国内の状況を踏まえれば、新増設、建て替えを進める環境下にはないものと考える。
古川氏 どちらともいえない
 徹底した省エネ、再生エネルギーの主力電源化に向けた最大限の導入、安全最優先での原発再稼働を進める中で、将来のエネルギーミックスについて原発への依存度を可能な限り低減させつつ、どういうあり方が望ましく、可能かを不断に検討していくことが必要と考えています。

 

問23/ 九州新幹線長崎ルート

九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―長崎間が来年秋に開業しますが、新鳥栖―武雄温泉間は整備方式もルートも未定です。今後どうすべきだと考えますか。
①一般的なフル規格での新幹線建設 ②整備せず、武雄温泉駅で新幹線に乗り継ぐ対面乗り換え方式 ③新幹線と在来線を乗り入れできるフリーゲージトレイン開発の可能性を追求 ④分からない

岩田氏 一般的なフル規格での新幹線建設
 新幹線は全国につながる高速交通ネットワークとして整備すべきものであり、日本の未来に関わる重要な課題です。武雄温泉駅での対面乗り換えを利用者利便の観点から一日も早く解消する必要があることを踏まえ、①在来線の利便性の確保②財政負担の軽減③地域の発展に資するルート④地域振興策についての検討が必要です。
原口氏 その他
 どうするかの前にフリーゲージで佐賀県の負担は限定的といった国の責任を明確にすべき。われわれは当初からフリーゲージトレインの現実性に疑問を呈してきた。それを強行に進めてきた政権は、それに見合う佐賀県に対する丁寧な説明と提案、予算確保に努めるべきだ。
大串氏 ①ー④のどれでもない
 まずは国がフリーゲージを不可能と判断したことの総括を行った上で、国家軸としての鉄道のあり方について、より主体的に財源問題も含めて国が自らの姿勢を示すことが必要。その上で、在来線への影響も含めて、県民にとって何が最良の選択肢か、幅広い立場からの議論を予断なく行うべき。
古川氏 一般的なフル規格での新幹線建設
 政府・与党の方針と佐賀県の考えに溝があれば、それを埋めるべく努力するのが県選出国会議員の仕事と考えます。県と国の「幅広い協議」の進展を望みつつ、「在来線」「地方負担」「ルート」「地域振興」といった複合的課題について県民の不利益にならないように解決を図っていかねばならないと考えます。

 

問24/ 諫早和解協議案への国の対応

国営諫早湾干拓事業の開門確定判決を巡る訴訟の差し戻し控訴審で、和解協議入りを提案した福岡高裁に対し、国は開門を前提とせず、協議を打ち切って判決を言い渡すよう求めています。国の対応を評価しますか。

岩田氏 評価する
 「開門によらない基金による和解を目指すことが最良の方法である」との国の方針を評価します。最も重要な開門または非開門が定まらないまま協議しても、さらに長い時間がかかることになるのではないかと懸念します。できるだけ早く問題が解決できるよう、関係省庁が連携して取り組むよう働きかけます。
原口氏 評価しない
 「海のことは漁民に聞け」とかつて農水大臣は国会で答弁した。いのちの海・宝の海を諫早湾干拓の閉め切りで壊しておいてその責任者が裁判所の和解協議勧告さえ打ち切るという姿勢は、断じて認められない。佐賀県議会全会一致で開門調査を可決している重みさえも無視している。
大串氏 評価しない
 宝の海有明海の真の再生には、諫早湾干拓の開門調査は不可欠。「開門をすべし」という福岡高裁での判決は確定判決となっており、国はこの確定判決を実行しなければならない。政府与党が「開門しない」という判断にいまだに固執しているのは、佐賀県民の声を無視しているものと言わざるを得ない。
古川氏 どちらともいえない
 豊かな海を残していくために開門調査は必要であると考えます。また、(前提条件なしの)和解協議入りという司法の提案は重いものです。一方、海の再生は喫緊の課題であり、海底耕耘(こううん)や種苗の育成等有明海の再生事業を多角的に試行するとともに、新たな技術を利用した原因究明の調査方法も模索していくべきだと考えています。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加