佐賀労働局は25日、2020年度に長時間労働が疑われる399事業場に監督指導を実施した結果、74・7%に当たる298事業場で労働基準関係の法令違反があったと発表した。このうち「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外・休日労働が42事業場で確認された。

 法令違反のうち、違法な時間外労働があったのは126事業場だった。このうち、月80時間超は42事業場(33・3%)で、より深刻な月100時間超は22事業場(17・5%)、月150時間超は6事業場(4・8%)あった。

 ある飲食業では、時間外・休日労働が月166時間に及んでいた例があり、労働者に時間数を通知する義務も怠っていたことから是正勧告した。

 賃金不払い残業は40事業場で確認され、過重労働による健康障害防止措置の未実施は54事業場だった。法令違反が確認された298事業場を業種別にみると、商業が最多の84事業場で、製造業55事業場、接客娯楽業34事業場、その他(派遣業、警備業、情報処理サービス業など)が31事業場と続いた。

 働き方改革関連法のうち、時間外労働(残業)の上限規制などを盛り込んだ改正法が施行され、昨年4月から中小企業も対象となった。違法な時間外労働があった事業場の割合は19年度の53・5%から20年度は31・6%に減っており、佐賀労働局は「法改正に伴い、中小企業の経営者も労働時間の削減に取り組んでいることが見て取れる」と分析する。11月は過労死等防止啓発月間で、「過労死につながる長時間・過重労働をなくすべく積極的に取り組む」と話す。(大橋諒)

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