薄暗い中、ノリの種が付いた網を広げる漁業者=21日午前6時半すぎ、佐賀市川副町沖の有明海

佐賀県の養殖ノリの種付けが21日、始まった。海面にはカラフルなノリ網が広がった=佐賀市沖(共同通信社ヘリから)

 日本一の生産を誇る佐賀県の養殖ノリの種付けが21日、始まった。県沖の有明海には早朝から漁船約730隻が出て、漁業者がノリ網を手際よく広げた。10月中旬まで真夏日が連日続いて心配された海水温も、この日は21度とノリの芽が出るのに適した温度まで下がり、漁業者らは「順調な滑り出し」と安堵の表情を見せた。

 県有明海漁協の今季の目標は生産18億枚、販売額216億円で、19季連続の日本一を目指している。

 種付け解禁となったこの日、夜明け前に有明海沿岸の各漁港から漁船が続々と出発した。沖合の養殖場では、小さな角舟から巻いてあるノリ網を繰り出し、林立する支柱に固定した。ノリ網の長さは18メートルで、ノリ種の付いたカキ殻がぶら下げてあり、数日でノリの胞子が網に付き、育つ。この日、張られた網の数は約60万枚。

 家族と作業した後、洋上で記者団の取材に応じた県有明海漁協の西久保敏組合長(65)は「解禁日を決めた後、ノリ漁50年の私も経験のない暑さになり心配したが、海況も好転し今年は期待できる。おいしいノリをみなさんに届けたい」と笑顔を見せた。

 8月の記録的な大雨で佐賀市の戸ケ里漁港などに土砂がたい積したが、ノリ漁を前に国などが撤去した。この日種付けした秋芽は一カ月後に収穫される。(宮里光)

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