2019年に放送されたNHKの朝ドラ「なつぞら」は、戦争で孤児となった少女がアニメーターを目指して成長する物語だった。念願がかない、アニメ制作の現場で働き始めた主人公が「アニメにしかできない表現」を考える場面がある。答えは「あり得ないことも本当のように描くこと」◆アニメは子どもの頃から大好きだ。絵心がない筆者はまず、表現力に感心する。宮崎駿さんの「アルプスの少女ハイジ」では、火であぶったチーズがとろりと溶け、本当においしそうだった。あり得そうなことは本物以上の輝きを見せる。それもアニメの力だろう◆細かい描写に加え、登場人物のキャラクターに応じた「声」の魅力にも引きつけられる。宮野真守(まもる)さんや津田健次郎さん、梶裕貴(ゆうき)さんらの声優を推すファンの気持ちもよく分かる。脚本、絵、声。それぞれの力が合わさり、アニメは見る人の心をつかむ。「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」に続き、最近は「呪術廻戦(かいせん)」が大人気という。佐賀を舞台にした「ゾンビランドサガ」も映画化が決まった◆きょう10月22日は「アニメの日」。「なつぞら」にも出てきた日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝(はくじゃでん)」が1958年に公開された日にちなむ◆「ゾンビランドサガ」のアニメーターは映画で、どんな「本当」を描くのだろう。娘に頼んで連れていってもらおうかな。(義)

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