クレーン車でつり上げた後、移動して海に降ろされた観光フェリー=唐津市二タ子

観光フェリーが完成し、進水を前に関係者によって執り行われた神事=唐津市二タ子

進水へ向けクレーン車でつり上げて移動する観光フェリー=唐津市二タ子

八重山諸島をイメージし、動植物を船体に描いたフェリー「やいま」=唐津市二タ子

完成した観光フェリーを背にする八重山観光フェリーの大松宏昭社長(左)と江藤造船所の江藤光明社長

八重山諸島をイメージし、動植物を船体に描いたフェリー「やいま」=唐津市二タ子

 沖縄県石垣市の観光フェリーを、唐津市の造船所が20年以上にわたって製造している。11隻目となる「やいま」(122トン、220人乗り)が10月上旬に完成し、唐津市二タ子の岸壁で進水式が行われた。7月に世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)にちなみ、船体には国の特別天然記念物イリオモテヤマネコやカンムリワシをはじめ熱帯・亜熱帯の動植物をデザインした。コロナ禍で落ち込んだ観光の起爆剤にと期待されている。

 製造したのは唐津市二タ子3丁目の江藤造船所。二十数年前、石垣市の八重山観光フェリー(大松宏昭社長)が高速船の評判を聞き、三愛船舶設計(基山町)を通じて発注した。1隻目はサザンクロス5号(19トン、99人乗り)で46ノットの速さ。その後、同規模の小型船を計7隻注文し、100トン規模へと続いている。

 「やいま」は全長33メートル、幅7・5メートルで1500馬力、32ノットの速さで航行する。双胴船で揺れが少なく安定して乗りやすいという。船名は八重山諸島の地元の呼び方にちなんだ。1年かけて製造した。製作費は約5億円。10月8日の進水式では2台の大型クレーンを使って工場からつり出して移動、着水した。検査を経て11月には石垣島に渡り、八重山観光フェリーが12月1日に創立50周年を迎えるのを記念して就航する。

 進水を見守った大松社長(68)は「安堵(あんど)の気持ちでいっぱい。八重山の経済のため縦横に走り活躍してくれると思う」と語った。「船を通して両市に縁がある。ぜひ石垣を訪れ、唐津で造った船に乗っていただければ」と呼び掛けた。試走した安慶名(あげな)誠船長(43)も「かじが良く効き、スピードもアップした。世界自然遺産登録に続いて起爆剤になってほしい」と話す。

 従業員8人の造船所で3代目を務める江藤光明社長(70)は「小さな造船所だが、従業員には自分がオーナーと思って造るように言っている。色鮮やかなデザインは石垣の船らしい」と喜んでいる。(辻村圭介)

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