テレビの通販番組を見ていると、購入した人たちが熱心に商品の良さを語る。あまりに大げさなアピールは疑ってしまうが、画面の隅に「個人の感想です」とただし書きが出ている。誠実な姿勢とみるべきか、クレームに対する防衛策とみるべきか◆通販番組に限らず、ただし書きを目にする機会が増えた印象がある。料理が出てくる番組では「感染防止に配慮して調理しています」「収録後、残さずに食べました」…。余計な説明にも思えるが、いろんな反応が寄せられるのだろう◆衆院選が公示され、昨日の紙面には各党の公約一覧が載っていた。争点となっている新型コロナ対策では医療や検査体制の拡充、事業者や個人に対する現金給付などの支援策が並んでいる。経済対策では再生に向けて、財政出動を競い合う政策が目立つ◆社会保障や子育て、外交・安全保障など、ほかの分野でも各党が有権者にアピールしている。実際にそうなれば、良くなりそうな気がするが、悲しいかな、うのみにするほど政治への信頼はないのが現状である◆「あくまで目標です。実現できない場合もあります」。当然、そんなただし書きは見当たらないが、選択する際には実現の可能性も慎重に判断したい。目を凝らして吟味すれば、隠れたただし書きがあぶり出しのように浮かんでくるかもしれない。(知)

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