自身が編集長や編集局長を務めた「週刊文春」のスクープ力について解説した「文藝春秋」の新谷学編集局長兼編集長=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀新聞社が主催する「政経懇話会・政経セミナー合同例会」が19日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀であり、「文藝春秋」編集局長兼編集長の新谷学氏が「『週刊文春』はなぜスクープを連発できるのか?」と題して講演した。「文春砲」と呼ばれるスクープ力の裏に、「親しき仲にもスキャンダル」という取材対象との是々非々の関係性があり、得た読者からの信頼でさらに情報が集まる好循環の仕組みを説明した。

 新谷氏は週刊文春の編集長となった2012年、全編集部員に「週刊文春の武器はスクープ力。皆さんの任務はいいネタを取ってくること。責任は全部俺が取る」と伝え、共通認識を築いたと紹介。「多額の取材経費や裁判沙汰を現場に押しつけるような状況でスクープは生まれない。本当の意味で現場と編集トップの間にコンセンサスがあるかが大事」と組織内の信頼関係の大切さを強調した。

 一方で取材対象との関係性については「われわれの仕事は仲良くなることではない。相手の懐に飛び込み信頼関係を築いても、不都合な真実が分かったら、人間関係が壊れてでも書く」とした。「親しき仲にもスキャンダル」と語るこの関係性により「自分が書かれたのと同じようにこの相手を書いてくれと、与野党問わず言われるようになる。いろいろな所からネタが集まってくる」と、スクープ連発につながる仕組みを解説した。(志垣直哉)

 (講演要旨を後日、オピニオン面に掲載します)

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