有田陶磁器まつりプレ期間中の「有田焼と手作り雑貨公園」の様子

 秋の有田陶磁器まつりプレ期間が始まった。今年もコロナ禍で、2年連続春の陶器市が中止となる中、秋は11月19~23日のメイン期間に加えて、10月9日~11月1日の土・日・祝日もプレ期間として、春の分まで楽しんでもらう趣旨である。内山などでは密にならない程度のほど良い来客が道を埋め、久しぶりにやや活気のある有田の姿が見られている。

 ところで、現在有田町では、この内山地区の再活性化を目指して、「有田内山グランドデザイン」の策定が進められている。明治27(1894)年時点で、内山地区の戸数は1173戸で、現在(今年1月1日時点)の1220戸と比べて大差ない。つまり、おそらく建物数にも大きな増減はないため、形としての町の姿は維持されているのである。ところが、人口は明治の6147人に対して、現在は2673人と4割ほどに減少しており、外見は変わらないものの中はスカスカという状態なのである。

 平成3(1991)年に内山が国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、今年で30年を迎えたが、当時でも人口は4937人(1月1日時点)、実は、このわずか30年の減少幅が大きい。保存地区内のやきもの関連を除く商店も当時は90店近くもあり、とりあえず地区内で生活を完結させることも可能であった。しかし、現在まで続くのは十数店に過ぎず、もはや内山だけで日常生活を送ることは不可能な状態になっているのである。(有田町歴史民俗資料館長・村上伸之)

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