長崎駅構内でつながった九州新幹線長崎ルートのレール=長崎市尾上町(鉄道・運輸機構提供)

九州電力玄海原発3号機(左)と4号機=東松浦郡玄海町(唐津市肥前町向島から2019年2月2日撮影)

8月の記録的大雨では茶畑に土砂が崩落するなど甚大な被害が生じた=嬉野市嬉野町内野山(9月8日撮影)

 衆院選が19日公示、31日投開票の日程で実施される。佐賀新聞社は佐賀県内4政党の政策責任者に、政権への評価や新型コロナウイルス対策、佐賀県が抱える国策課題への見解を聞いた。有権者へのメッセージを含め、10項目の質問に対する回答を「紙上座談会」として詳報する。

■回答者
 自民党県連政調会長
      定松 一生氏
 公明党県本部幹事長代行
      木村 雄一氏
 立憲民主党政調会長
      藤崎 輝樹氏
 共産党県委員会副委員長
      武藤 明美氏


■安倍、菅政権への評価
経済、コロナ対応で結果自民/公的資金、困窮者に回らず立民
外交・安保や経済で成果公明/強権政治、国政を私物化共産

 ―安倍、菅内閣の8年9カ月にわたる政権運営をどう評価するか。その上で、今回の衆院選の争点は何か。

 【自 民】
 安倍政権は、強力なリーダーシップの下、「アベノミクス」で経済を成長軌道に乗せたこと、そして菅政権は、新型コロナウイルス感染症への対応、特にワクチン接種を進め、経済活動も維持するという難しい課題に取り組んだ。両政権とも、しっかりと結果を残したと考えている。
 今回の衆院選においては、岸田新総理が成長と分配の好循環を生み出していくこと、そしてコロナ後の新しい社会を国民の皆さんとともにつくり出していくことを訴えている。

 【立 民】
 一つはアベノミクスに見る経済対策。もう一つが政権運営における政治姿勢に対する評価をしなければならない。アベノミクスは、本来は困っているところに回すべき公的な資金を富裕層をより豊かにするために使われてしまった。また、優秀な官僚が国民を顧みず官邸に忖(そん)度(たく)をするような、説明責任を果たさない政権運営がまかり通った。
 選挙の争点は、格差拡大をとめ、しっかりとコロナ対策を講じ、国民のための政治を取り戻す。

 【公 明】
 安倍政権は、長期安定政権のもと、外交安全保障やアベノミクスによる経済成長という成果を上げた。菅政権では、わが党の政策提言を数多く受け入れ、不妊治療の保険適用や携帯電話料金の大幅引き下げなど、短期間に多くの実績を残した。
 衆院選の争点は、一日も早くコロナ禍を乗り越え、いかに日本を再生するかという点。誰もが希望を持ち、安心して暮らせる未来を築くのはどの政権か、どの政党かが問われる政権選択の選挙である。

 【共 産】
 「安倍政権の継承」を最大の看板としてきた菅政権。コロナ対応で感染爆発と医療崩壊を招いた責任は大。辺野古新基地建設では世論に逆行し強行。違憲違法な日本学術会議への人事介入など強権政治。「モリ・カケ・サクラ」に見られる国政私物化や「政治とカネ」の問題でも、解明責任を果たさず反省もない。菅首相の政権投げだしは、自公政治の破綻。弱肉強食の新自由主義を終わらせ、国民のいのちと暮らしを大切にする政治へ、政権交代。


■コロナウイルス対策
「医療難民」出さぬ対応を自民/感染防止や現場支援を立民
ワクチン促進で日常回復公明/迅速な接種と検査強化共産

 ―新型コロナウイルス対策については。

 【自 民】
 医療従事者をはじめとしたエッセンシャルワーカーの皆さまのご努力や県民の皆さまのご協力により、状況は落ち着きを取り戻しつつある。関係者の皆さまのご尽力に感謝申し上げる。また、山口知事の対応も高く評価できる。今後、国では、11月に希望する人全員のワクチン接種を済ませ、3回目の追加接種の準備や経口薬普及も促進される。「医療難民」を出すことがないよう、病床や人材の確保など、今後も佐賀県政の対応に期待したい。

 【立 民】
 感染防止対策と医療現場支援、そして生活者・事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分に収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、通常の生活・経済活動を早期に取り戻すことが大事だと考える。具体的には、感染者受け入れ医療機関に対する減収分と負担増分を全額事前包括払いを行うことを前提に、県知事の医療機関に対する受け入れ要請の権限を強くする。また、早期発見のための検査体制の充実拡大を図る。

 【公 明】
 他党に先駆けて、いち早く海外製ワクチンの確保、専門家会議の設置を提唱するなど、一貫して政府のコロナ対策をリードしてきた。ウィズコロナの社会経済活動の段階的な引き上げに向け、3回目のワクチン接種の無料化や国産ワクチン治療薬の早期実用化を図り、ワクチン検査パッケージで観光やコンサートイベントなどの参加を促進し、日常生活を取り戻す。また、ワクチンが打てない人のためにも、PCR検査の拡充や無料化を目指す。

 【共 産】
 (1)ワクチンの安全で迅速な接種と一体に、大規模検査を「いつでも、誰でも、無料で」頻回に行う(2)医療体制を強化し、症状に応じて必要な医療を提供する。政府が責任を持って医師看護師を確保し、医療機関への減収補(ほ)填(てん)と財政支援を行い、医療従事者の待遇改善を図る(3)自粛要請とセットで十分な補償を行う。持続化給付金や家賃支援給付金の再支給と継続支給・生活困窮者への支援・文化芸術関係者へは直接支援を拡大する。


■地方選と選挙の構図
地域の「新しい風」に期待自民/政党の仲間、全力で応援立民
佐賀市議が動けぬ難しさ公明/国政選挙と同じと言えぬ共産

 ―佐賀1区は佐賀市長・市議選と接近し、佐賀2区は県議選唐津市・東松浦郡選挙区の補欠選挙と接近する。こうした要因も踏まえ、選挙戦の構図をどう見る。

 【自 民】
 佐賀市長・市議選、唐津市・東松浦郡の県議補選には、優秀な人が立候補している。それぞれの地域に新しい風が吹いて、さらなる発展につながるよう、有権者の皆さまのご判断を頂戴したい。衆院選では、自民党・公明党の与党にこれからも政権をお任せいただき、岸田新総理による新しい日本の政治を進めていく力を与えていただけるよう、しっかりと訴えていく。

 【立 民】
 衆議院選挙と前後して県内において、市長また議員の選挙が行われる。立憲民主党は政党として行動を共にする仲間の当選を全力で応援する。ただし、県市町の課題は、あくまでも住民のために県市町の行政機関と議会とで議論して決めていくことであり、衆議院選挙の対立構図にそのまま地方選挙を当てはめるものではない。衆議院選挙は、有権者にとって政権交代を実現する唯一の手段である。立憲民主党の政策を国民の力で実現する。

 【公 明】
 安定の自公政権か、それ以外の政権かを選択する選挙。小選挙区での自民党候補の議席と九州沖縄比例ブロックで公明党4議席の獲得を目指す。佐賀1区では多くの市議が自身の選挙で動けず、自公の支持を広げる困難さがある。2区では自公連携して取り組める環境にあるが、コロナ禍の選挙であり、ネットも活用しながら、いかに自公政権の実績をアピールできるかが問われる。県議選の補選日程が衆院選に与える影響は特にないと考える。

 【共 産】
 総選挙は「安倍・菅」継承の岸田自公政治を許すのか、野党が共闘して新しい政権へ交代するのかが、対決構図。佐賀市長選や唐津県議補選と同じ構図だとは必ずしも言えない。新自由主義によって脆(ぜい)弱(じゃく)になった国民生活の基盤を立て直し、憲法に基づく政治、科学的知見に基づく新型コロナ対策、格差と貧困の是正、地球環境を守るエネルギー政策、権力の私物化を許さない、ジェンダー視点の公正な社会のために、野党が共同して闘う。


■オスプレイ配備
懸念払拭に努め積極関与自民/空港建設時の経緯踏まえて立民
防衛省は真摯に説明して公明/佐賀空港が出撃拠点になる共産

 ―佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画についてどう考えるか。

 【自 民】
 「国防」はわが国の独立と平和、そして、国土と国民の生命・財産を守るものであり、佐賀県も国の構成団体として、国防に貢献する役割を当然有している。また、災害時における緊急対応を考えた時、その有用性についても理解できる。一方で、県民の安全で安心な暮らし、漁業や農業等の環境に影響を及ぼさないよう注視しつつ懸念の 払(ふっ)拭(しょく )に努め、防衛省と漁協の協議が進むように積極的に関与していきたい。

 【立 民】
 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画については、防衛上の観点また佐賀空港建設の経緯からして現実的ではない。有事を未然に防ぐ上でも防衛力は重要である。ただし、オスプレイでは抑止力の効果また有事の際の機能面において疑問が残る。また、佐賀空港建設時の「県は佐賀空港を自衛隊と共用しない」旨の覚書を県が交わしていることから、空港建設当時の是非が今さら問われかねない事態となるようなことは避けるべき。

 【公 明】
 厳しさを増す、わが国の安全保障環境を鑑み、国防の重要性の観点から地方自治体も、国家の構成員として一定の役割を担う必要がある。ただし、佐賀空港を自衛隊と共用しないとした公害防止協定覚書付属資料の変更には、協定当事者の理解が必要であり、まずは、事業主体である防衛省が真(しん)摯(し)に向き合い、説明責任を果たすべき。現在、有明海漁協において、アンケートの結果を受けた対応が検討されており、結果を注視していきたい。

 【共 産】
 空港建設時に県が漁協と交わした、公害防止協定・覚書付属資料の「自衛隊とは共用しない」との約束を何より守るべき。自衛隊の基地になりオスプレイが配備されれば、米軍は大手を振ってやってくる。佐賀空港が出撃拠点になることは明らか。しかも県営空港が防衛省の管轄にされる。有明海に及ぼす影響は計り知れず、いまでさえ悪化している有明海がさらに悪化する。バルーンの空にオスプレイはいらない。平和外交が一番の防衛。

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