南北朝時代を再現した自前のセットで撮影に臨む出演者ら=16日、小城市芦刈町の福田寺

 小城市牛津町の歴史を題材にした市民有志による映画の撮影が始まった。南北朝時代の室町幕府の武将で、牛津町などを拠点に九州を統制したとされる今川了俊と弟の仲秋が主人公。来春の上映を目指し、出演者とスタッフ約20人が手作りのセットと自前の機材でロケに臨んでいる。

 6回のリハーサルを経て、撮影は10月3日にスタート。2回目のロケは16日、小城市芦刈町の福田寺であり、幕府から九州平定の「探題」に任命された了俊が、九州西北部の武士団「松浦党」に協力を求めるシーンなどを収録した。

 了俊役の持永茂さん(65)=佐賀市=は仲秋の子孫にあたる。元テレビ局ディレクターで監督の田中正照さん(67)=牛津町=から出演を依頼され、「今川家の歴史を子や孫に伝えたい」と快諾した。松浦党の党首役も松浦氏の子孫である武富哲あきらさん(76)=同町=が買って出た。

 田中さんらスタッフは「映画でまちおこし」を合言葉に集まった元サラリーマンや主婦らで、過去に小城市ゆかりの歴史映画を二つ手掛けた。仲秋役の萩尾寿隆さん(36)=鹿島小教諭=は、3月まで教えていた牛津小の児童と一緒に出演。「子どもたちの地域学習の架け橋に」と演技に磨きをかけている。

 映画は、了俊と仲秋が九州を平定する過程を独自の脚色を交えて分かりやすく描く。12月まで市内外でロケを重ね、来年3月の上映を目指す。田中さんは「素人ばかりで思い通りにいかないことも多いが、出演者やスタッフの熱量はすごい。見る人の心に訴える作品に仕上げたい」と話す。(谷口大輔)

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