作陶展を開いている辻さん。左の作品は昇開橋を題材にしたもの。淡い黄色を効果的に使い、光りあふれる風景を描いた=佐賀市の佐賀玉屋

 日展会友で有田町に聡窯(そうよう)を構える辻聡彦(としひこ)さん(55)の作陶展が佐賀市の佐賀玉屋で開かれている。白磁をキャンバスに線刻を施し、昇開橋などを表現した約80点が懐かしい風景を思い起こさせる。25日まで。

 独自の線刻技法で、土を削って、立体感と奥行きを出す。小さく土が盛り上がった部分に光が当たり、温かみが増す。この展覧会のために制作した昇開橋が題材の陶額は、淡い黄色をぼかし、奥行きを演出。太陽を描かずも光が差し込む幻想的な風景を表した。

 立たて山やま連峰を描いた作品は、構想から完成まで1年がかり、幅1メートル超えの大作。白と青のコントラストがすっきりとさわやかな印象を与える。焼き上がりを想定し制作するものの、思い通りにいかないことも多い。二級品ではなくとも、雰囲気が違えば「自分の中のフィルターで世に出していいか判断し、ボツになる」と辻さん。「自分の気持ちが動く風景を作品に仕立ててきた。郷里のように感じて見てもらいたい」と話す。(福本真理)

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