修復された大絵馬。武者の勇壮な姿を描いている。修復に当たった中村啓三さん(左)と杉光定さん=鹿島市の五の宮神社

修復が完了した絵馬。「国造り」を描いている

修復する前の絵馬

修復する前の五の宮神社の絵馬

 鹿島市の五の宮神社(宮﨑春己宮司)が所蔵する江戸時代後期の「武者絵」と「国造り」の2枚の大絵馬が、修復された。氏子の一人、織田博吉さん(72)が劣化によって色落ちしていたことに危機感を持ち、私費を投じて修復を地元の画家の杉光定さん(71)と中村啓三さん(72)に依頼した。1年半がかりで彩色し、生き生きとした勇壮な姿がよみがえった。

 神社には1831(天保2)年に奉納された3枚の絵馬があり、武者絵は特に痛みがひどく、色も分からない状態になっていた。杉光さんらは古書を参考にしながら補筆、着色して武者のたけだけしい姿を描き出した。「国生み神話」を基にした絵は、配色や筆のタッチで神聖な雰囲気を追求している。

 もう1枚の「龍神」は2人が昨年秋ごろに修復を完了していて、全ての作業が終わった。杉光さんは「先人たちの五の宮への思いが修復作業を通じて伝わってきた。コロナ禍が収束していく希望を込めて完成させた」と話した。

 織田さんは「地域の五穀豊穣(ほうじょう)を長年お願いしてきた神社に対して、感謝の気持ちがある。絵が、立派に修復されてうれしく思う」と語った。(中島幸毅)

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