佐賀県内の国公立・私立の小中高校と特別支援学校が把握した2020年度のいじめの認知件数は、4930件で前年度の約3・7倍と大幅に増加した。県教育委員会がいじめを把握するために活用する児童生徒向けのアンケートで、子どもたちが答えやすいよう設問を見直したことが主な理由。いじめ防止対策推進法で規定する「重大事態」は7件あった。

 従来のアンケートは小学校から高校まで全て統一した様式で、質問に対して該当する項目をチェックする形式にしていた。ただ「設問が漠然としている」(落合裕二教育長)として、「悪口」「冷やかし」「からかい」など具体的に例示するなど質問内容を変更。回答はマルかバツかで答える形式に変えた。様式は年代別に分け、質問の項目数も増やした。

 この結果、19年度1337件だった認知件数は、20年度は4930件に急増した。児童生徒1千人当たりの認知件数は19年度まで3年連続で全国最下位だったが、20年度は51・7件となり15位になった。

 20年度の内訳は、小学校が3504件、中学校1051件、高校313件、特別支援学校62件。このうち、20年度内に問題が解消されたのが1497件、解消に向けて取り組み中が3219件、卒業や転学など「その他」は214件だった。

 心身に深刻な被害が生じるなどの「重大事態」は7件で、県立学校はなかった。不登校は1618人で19年度から1人減少した。暴力行為の発生件数は421件で、19年度から120件増加した。

 落合教育長は「いじめ対策は、積極的に認知して早い段階で芽を摘んでいくことが必要」と述べ、アンケート見直しの意義を強調。その上で「認知をすることは、学校の中での適切な対応につながっていく」と説明した。(岩本大志)

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