前年の3・7倍と大幅増となった佐賀県内のいじめの認知件数。県教育委員会がいじめ把握に活用する児童生徒向けアンケートの設問を子どもが回答しやすいよう見直したことで数字が跳ね上がった。教育現場やNPO関係者からは、数字だけでなくいじめの背景を見つめることの大事さや解決のための環境整備の重要性を訴える声が聞かれた。

 佐賀県教職員組合の井手美保子執行委員長は、ここ数年で認知件数をより拾い上げるよう呼びかけがあっていたと指摘、「数字が問題ではなく、その背景や内容を見ることを重視して」と訴える。ある管理職の教員は「見逃しがあるかもしれないので細かに事案を上げることは大事だとは思うが、現場は大変」と実情を明かした上で「認知件数を上げること自体を目的にせず、いじめの土壌を減らすという本質を見失わないようにできれば」と話す。

 若者支援の認定NPO法人スチューデント・サポート・フェイスの谷口仁史代表理事は認知件数の増加に「大きな一歩」と歓迎しつつ「いじめを解決できる環境が整っているかどうかが大事」と話す。「声を上げやすい環境を作ることや、それを受け止める体制、学校外の第三者機関も関われるかどうかが重要になる」と指摘した。(岩本大志)

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