国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防に関し、大臣就任会見で開門しない方針を明らかにした金子農相=東京・霞が関の農林水産省

 金子原二郎農林水産相は5日の大臣就任会見で、国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の開門調査に関し「国としてはやらない方針」と述べた。31日投開票の衆院選後に長崎、佐賀県を訪問する意向を示し「特に佐賀県の皆さんの意見を聞かなければならない」と強調した。

 潮受け堤防を巡っては、排水門の開門を命じた確定判決の効力が争われた請求異議訴訟の差し戻し審で、福岡高裁が国側と開門派漁業者側に和解協議を提案しているものの、見通せない状況になっている。

 長崎県選出の参院議員で前長崎県知事でもある金子氏は「現地には何度も行っているので、特に長崎県の事情はよく知っている。佐賀県の皆さんの意見を聞きながら対応を決めていかなければならない」と述べ、「選挙が終わってからでないと現地には行けないと思っている。いずれにしても早く行き、意見をよく聞きたい」と話した。

 開門調査に対する考え方については「裁判であのような形になっているから、国としてはやらない方針。そこはご理解いただきたい」とした。

 国側は差し戻し審の進行協議で「開門の余地を残した和解協議の席に着くことはできない」などとして協議打ち切りを求めているが、福岡高裁は次回期日を27日に設定し、改めて国と漁業者側の双方に見解を求めている。(山口貴由)

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