訓練で、座り込む相手に声を掛けたり社会福祉協議会に電話を掛けたりする参加者=吉野ヶ里町横田地区

 認知症の人への対応を地域住民が実践する活動が28日、吉野ヶ里町横田地区であった。町社会福祉協議会による「温かい声かけ訓練」と銘打った取り組みで、高齢化に伴って認知症の行方不明者の増加が社会問題となる中、接し方や関係機関への連絡方法などを確認した。

 同協議会の職員や民生委員が道端に座り込んだ認知症の人を演じた。参加者は「どうしたね」と優しく声を掛け、名前や自宅の場所を尋ねた。また、身元の確認や保護の必要があると判断した場合に通報する対応も学んだ。同協議会の担当者は「声掛けが難しい場合も、迷うようなら(同協議会に)電話してほしい」とアドバイスしていた。

 参加した宮下寿美さん(69)は「困った人を見つけたときは社協も対応してくれることを知って、いい勉強になった」と話した。中山正朗さん(76)は「今は知らない人に簡単に声掛けできない実情もある。トラブルが発生するかもしれないし、いざ判断するとなると難しいだろう」と課題を挙げた。

 活動は2010年から続けている。新型コロナウイルス感染対策として小規模で行い、複数回に分けて実施する。町は8月、行方不明になる可能性がある高齢者の家族に発見通知が届くQRコードのラベルシールを配布していて、訓練ではスマートフォンで読み込んで連絡を取ることも取り入れた。(森田夏穂)

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