陶磁器ギャラリー「久吽堂」を開設する矢部慎太郎さん=唐津市呉服町商店街

2階サロンの「李朝の茶室」に通じる入り口。円形のデザインが目を引く

李朝の茶室をイメージした空間。壁紙は七山の紙漉思考室の製品をしつらえた

唐津市呉服町商店街に陶磁器ギャラリー「久吽堂」を開設する矢部慎太郎さん

李朝を意識したデザインに仕上げた窓の格子

唐津市呉服町に完成した陶磁器ギャラリー久吽堂

 唐津市呉服町商店街に陶磁器や骨董(こっとう)を扱う新しいギャラリー「久吽堂(きゅううんどう)」が完成した。東京・銀座などでサロンや飲食店を経営する「慎太郎ママ」こと矢部慎太郎さん(46)=東京=が空き店舗を借りて改修した。李朝の器や九谷焼など骨董から現代作家の作品まで並ぶ。本格オープンは年明けを予定している。

 矢部さんは北海道出身で、銀座で政財界関係者・文化人らが集うサロン(現在は休店中)や飲食店をはじめ、東京・神楽坂や金沢、京都で器ギャラリーを経営しており、九州への出店は初めて。唐津市東唐津の旅館「松の井」のおかみ篠崎孝子さん(72)の長男淳(すなお)さん(45)=東京=と、副料理長の森次庸介さん(31)と知り合った縁で唐津に通っているという。器ギャラリーで唐津焼作家の作品を取り扱い、唐津を気に入って拠点を設けた。久吽堂は唐津焼以外の陶磁器などを扱う。

 店名は、明治・大正時代に京都・祇園の「文芸芸妓」として谷崎潤一郎や夏目漱石らと親交があった磯田多佳の陶器店「九雲堂」にちなんだ。屋号の看板は書家の池多亜沙子さん(韓国在住)に依頼した。

 2階は会員制の「サロン丸梅(まるうめ)」で、唐津の杉を使った長テーブルを構えている。李朝の雰囲気を演出した“茶室”を奥に設け、大きな円の入り口を抜けると、畳の部屋が広がる。床の間や襖の壁紙は唐津市七山の紙漉(かみすき)思考室の漉き手・前田崇治(たかはる)さんが手掛けた。李朝家具を提案する場にもなっている。

 9月22~24日には内覧会を開き、十四代中里太郎右衛門さんをはじめ唐津焼の作家のほか、地元の商店街関係者らを招いてお披露目をした。

 矢部さんは「唐津は文化レベルが高い人たちが住んでいると感じる。文化と食、歴史の魅力があふれ、大好きなまち。質素倹約の美の場にしたい」と抱負を語る。年5、6回は唐津を訪れる予定という。(辻村圭介)

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