80年前のデザインを復元した「如蘭塾」の制服に袖を通した武雄高の中村亜美さん(右)と犬走華菜さん=武雄市武雄町(撮影・鶴澤弘樹)

80年前のデザインを復元した「如蘭塾」の制服に袖を通した武雄高の中村亜美さん(右)と犬走華菜さん=武雄市武雄町(撮影・鶴澤弘樹)

 第2次大戦中に旧満州(現在の中国東北地方)から日本へ給費留学した女学生が学んだ佐賀県武雄市武雄町の「如蘭塾」の創立当時の制服が復元され23日、披露された。胸やネクタイにラインの入った制服に袖を通した高校生の姿が、80年前に武雄で勉学に励んだ少女の姿をほうふつとさせた。

 如蘭塾が来年、創立80周年を迎える記念に、財団法人「清香奨学会・如蘭塾」(松尾正廣理事長)が復元した。県内の女性で初めて「現代の名工」に選ばれた西松浦郡有田町の服飾デザイナー金武節子さん(77)に制作を依頼した。

 夏服は白の長袖、冬は濃紺で、幅の広い襟をネクタイで締める。左胸とネクタイにあるラインで全体を引き締めている。下は膝下まであるひだ入りのジャンパースカート。

 金武さんは「濃紺に襟のグレーがぴったり合い、3本のラインは遠くから見ると1本になるなど非常にセンスがある」と紹介。白黒写真をカラー化したことで白と思っていた襟がグレーだったことが分かり、色合わせに腐心したことなど苦労した点も伝えた。

 モデルを務めた武雄高3年の中村亜美さんと犬走華菜さんも「かわいいデザイン。80年前とは思えない」と気に入った様子。松尾理事長は「この制服を向学心に燃えて来た少女の思いや希望を思い起こすよすがにしたい。塾に展示して当時の生活ぶりなども理解してもらい、日中友好に役立てたい」と話した。

 如蘭塾は鹿島出身の実業家野中忠太が1942年に、武雄市内に創立。45年の終戦で閉鎖されるまでに51人が学んだ。83年に元塾生から届いた手紙をきっかけに交流が復活。塾生の子や孫が武雄を訪ねたり、県内の高校生が中国を訪れたりしている。中国出身の県内の大学生への奨学金制度なども設けている。(小野靖久)

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