大雨とともに夏が去り、秋の訪れと歩調を合わせるように、政まつりごとの季節もやってきた。菅首相の突然の退陣表明で混こん沌とんとなった自民党総裁選、10月21日の任期満了を超えて実施される見通しの衆院選と続く。立候補予定者は選挙区内を奔走し、支持拡大に躍起だ。記者も追い掛けたり、いろんな関係者に話を聞いたりと日々追われている。

 この4年間、政治は「ことば」だとつくづく感じた。国のリーダーたちが記者会見で自らの言葉では語らずただ原稿を読み上げる姿や、記者の質問に対して論点をずらしたり、「お答えを差し控える」と拒否したりといった場面を見るたびに、伝える力の重要さを痛感した。

 政治の言葉を巡っては、報道の表現に対する厳しい指摘もある。上西充子法政大教授の箸書「政治と報道」(扶桑社新書)の副題は「報道不信の根源」とある。「野党は反発」を例に挙げ、「理もなく感情的に騒いでいるだけのように見える」と指摘し、表層的な見方への加担を批判する。

 最近の政治に決定的に欠けているのは、「誠実さ」だと思っている。報道も自戒しつつ、与野党の目線がどうなのか、市井の人たちの声を聞きながら、しっかりと注視したい。(唐津支社長・辻村圭介)

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