りんとした表情の男性(右)をカメラに収める木下智博さん=佐賀市の佐賀玉屋

木下智博さん(右)から姿勢や目線のアドバイスを受ける女性=佐賀玉屋

参加者の柔らかな表情を引き出し、シャッターを切る木下智博さん(手前)=佐賀市の佐賀玉屋

 敬老の日(20日)に合わせ、70歳以上を対象にした無料の撮影会が19日、佐賀市の佐賀玉屋で始まった。木下写真館(同市白山)による毎年恒例のイベントで、事前予約した来場者を記念の一枚に収めている。20日まで。

 カメラのシャッターを切るのは、写真館の3代目社長の木下智博さん(53)。「少し体を前に倒して、目線はこちらの方に」。照明で照らされた参加者にアドバイスしつつ、緊張をほぐしながら自然な表情を引き出していた。

 撮影会は今年で43回目。初代の祖父が若くして亡くなり、2代目の父・忠さん(故人)が「十分にできなかった親孝行の代わりに」との思いから始めた。最初の40年は写真館で実施し、この3年は佐賀玉屋で開いている。例年は行列ができるほど好評。今年はコロナ下での密集を避けるため完全予約制にし、2日間70人の枠はすぐに埋まった。

 撮影は1人10分程度。娘が「誕生日のお祝いに」と申し込んだ西田和子さん(83)=みやき町=は「写真館の方に撮ってもらったのは結婚式以来かも。ちょっと恥ずかしかったけれど、いい記念になった」。参加者からは「遺影にしたい」との声も多く、佐賀市の國友悦子さん(72)は「撮っておかないと子どもが困るので、ずっと悩んでいた。出来上がりが楽しみ」と話した。

 父の思いを受け継ぎ、撮影会を続ける智博さんは「長く商売ができているのは地域のおかげでいつも感謝の気持ちでいる。年齢や人生経験を重ねてきた美しさを写したい」と話す。写真ははがきサイズに現像し、郵送する。(円田浩二)

このエントリーをはてなブックマークに追加